マティスは1912年の1月末から4月までモロッコのタンジールに滞在した。タンジールの人たちが水槽の金魚をあきることなく眺めていることに感動して描いた作品だという。わが娘が描いたといってもそれほど驚かないほど素晴らしく無邪気な絵だ。
Henri Matisse, Le café Maure(Arab Coffeehouse), 1911-13, oil on canvas, 176 x 210 cm (Hermitage Museum)
モロッコ人がリラックスして金魚を眺めている。色調と描く対象の単純化は素晴らしい。
マティス 「カスバの門」Entrance to the Kashbah, 1912
モロッコで見かけるこの形の門を薄い青とベージュで塗り、通路の赤は絨毯だろうがなんだか形が変だ。左横の人物など適当に描いたように見える、色彩と形だけで描いている。見ている方もリラックスしてみれる。マチス43歳の作品だが80代に描いたように老成している、つまりいい具合に緩んでいる。