今朝のニュースによると、北アフリカのチュニジアで14日、ベンアリ大統領がサウディアラビアに亡命し、23年間続いた独裁体制が崩壊した。先月中旬から暴動やデモが各地で続き、多数の死者が出る中での退陣で、ガンヌーシ首相が暫定大統領を務める。
8年前の2003年12月のことWSIS(国連世界情報社会サミット 情報社会がはらむ諸問題を解決するための国際戦略を世界中の首脳が集まって協議し行動計画を採択することをミッションとする)がスイス・ジュネーブで開かれ、私もソフトバンクから参加した。当時の麻生総務相もスピーチを行い、ドコモが着メロでクラシック音楽を演奏するパーフォマンスを行った。会場ではボーダフォンに移籍直前だった津田ドコモ副社長も会場に姿を見せていた。
その足で2005年11月に開催予定のチュニジア・チュニスも訪れた。「ホテルカルタヘ」に泊まったがこの直前までカルタヘとカルタゴが同じ名前だとも気が付かなかった。チュニジア・チュニスでガイドがついたが、このガイドがチュニジアの政治情勢を教えてくれた。そのガイドはチュニジアは民主主義国家でベンアリ大統領も選挙で選ばれたが実は自ら憲法を変えて終身大統領におさまったという話をしてくれた。ガイドの説明には非難の色合いが込められていることは言うまでもない。私は民主主義国家という名目で終身大統領を憲法で決めるという独裁の方式に内心「やれやれ」と思った。
帰国後、都内の靖国神社に面したビルの中にあるチュニジア大使館でWSIS参加団に対する夕食会にが招待された。郵政省総務省の次官経験者3名を含む参加団の一行はチュニジア料理とチュニジアワインをご馳走になったが、私の隣に座った大使館員はインタネットの情報コントロールの方法について尋ねてきた。チュニジアは民主国家を標榜しているがいまだ情報公開どころかコントロールする国なのだと知った。
話はひと月前に飛ぶ。プールで知り合いと旅の話をしていたところ、チュニジアの話がでた。チュニジアではブラックコブラが有名だという。コブラの種類かと思ったが秘密警察のことだそうだ。
そんな話が今朝のニュースを見て自然と思い出された。ガイドの気になる話から8年たって体制が崩壊した。中国でもかつて7年前にガイドから政治体制に対する批判を聞かされた。さて中国も今後どうなっていくのだろうと、ふと考えてしまった。