えくぼ

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地球そぞろ歩き ⑧

2015-05-16 09:17:54 | 歌う

            ・・・ 地球そぞろ歩き ⑧ ・・・

 ✿ メモをしている女あり今しがた見し絵の少女を詠むかのように  松井多絵子

 5月15日朝9時、上野より笠間市へ向かう。クラブツーリズムバスは、11時からレストラン・イイジマで「常陸牛すき鍋」の昼食、お昼過ぎに「笠間日動美術館」に入館する。常磐線が東京駅に乗りいれたのを記念して「大鉄道展」が開催されている。入館してすぐガラス張りの三角形の展示室にジャコメッティの彫刻、<イエゴの肖像> その背景は竹林だ。ガラス越しに高く高く伸びている夥しい竹の勢いに圧倒される。2時間という限られた時間、私はここに来たのは始めてだ。あれもこれも見るわけにはいかない。「フランス館」へ向かう。行くまでの野外彫刻庭園は日本ではない、ふらんすの貴族の庭園。

 モネ、ルノアール、ピカソなどなど日本人に親しまれている画家の絵が展示されている「フランス館」は楽しい。ピカソの <女の顔> は暴走老女A子に似ている。生意気な女の顔だ。大きな帽子と羽のケープをA子が纏ったらなど思うと可笑しくなる。ローランサンのばら色ずくめの装いの女も、ロマンチスト老女Fを、彼女の若い頃を思わせる。貴重な絵を見ながら私の仲間の老女たちを思うなんて、、。。

 書道、絵画、陶芸、料理にまで才能を発揮した北大路魯山人の「春風萬里荘」もツアーに含まれている。此処を見たくてツアーに参加した人たちも多かった。北鎌倉の旧宅を移築した古民家だが、風呂場まで自分の好みの空間にしている。京都の龍安寺をまねた石庭。身の回りを、食器から庭の隅々まで自身の好みのもので囲んだ男らしい。グルメクラブも作り納豆のオイシイ食べ方を研究したそうだ。「究極のこだわり男」か。財力があれば、政界に乗り出すよりも、グルメを追求した方がいいかもしれない。阿部さん、麻生さんも。 魯山人のお孫さんをテレビの料理番組で見たことがある。手間とお金のかかる和食の作り方を披露していた。「ゼイタク男」の孫も「ゼイタク男」らしい。

 昨日は何故かケータイの電源を途中で切ってしまい歩行数など消えている。でも楽しい1日った。ツアーの料金は12500円。日帰り旅行にしてはお高いが、昼食の常陸牛は柔らかく、とてもおいしかった。晴天だったので、日動美術館の野外庭園のベンチで休憩したり、魯山人の庭を歩いて池の蓮を眺めたり、ゼイタクは私をやさしくする、今日までも。

                            5月16日  松井多絵子