えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

歌集は差し上げるもの

2017-09-19 13:22:46 | 歌う
昨日、美文字老女A子から電話、「歌集って差し上げるものなの?」と聞かれる。彼女は書道を嗜んでいて、短歌は詠まないが読む。気に入った歌は毛筆でメモをしているらしい。昨日の朝日歌壇短歌時評の大辻隆弘の寸評を読んで「あら、まあ」とのこと。


「短歌というものは売れるものではない。ほとんど経済的価値を持たない。だから歌人は自分の歌集を贈呈する。歌集の贈呈文化を否定的にとらえる向きは多い。がそのやりとりには金銭的価値に関わらない空間があることも確かなのだ」と大辻隆弘は述べている。

短歌結社の主宰などの歌集以外は売れないことを知りながら高価な歌集を歌人たちは作りたがる。多くの人に読んもらい共感してもらいたい。自身の作品を評価して欲しい。人生の出口に近づくほどこの世にメッセ一ジを残したくなるからだろか。

🔘 烏瓜の揺れしずかなり死ののちに語られることはみな物語

松村正直の歌を新刊の「風のおとうと」から大辻隆弘が抄出し、烏瓜の揺れに物語化されてゆく死者を思うと述べている。秋の彼岸が近づいてきた。

梨子とわこ姉妹の投稿歌

2017-09-18 14:39:47 | 歌う
9月18日、朝日歌壇は☆が少ない。老人の入選歌が見当たらず松田梨子が馬場あき子と佐佐木幸綱の共選である。

☆ これからはドライに生きると妹が言いだし花火がド一ンと上がる

子ども歌人だった梨子はいつの間にか大学生になったらしい。妹のわこは高校生になり「これからはドライに生きる」などと言う。ドライという言葉が懐かしい。かなり前に女たちに流行った。私もよく使った。受け身の耐える女、ウェツトな女にはなりたくない、

しかし自立した女が多くなりドライな女が少なくなったらしい。女がさらにドライになったらやれやれだ。妹のわこは梨子に比べて大胆な歌が多い。

今日のわこの入選歌は高野公彦選の

偶然に目が合ったとき人間でよかったと思う鳥とかじゃなく

来世は鳥になりたいと何度も詠んだ私は「あらまあ」である。この世を渡る苦労を知らないなあ「わこ」は。でも渡り鳥は寝食を忘れて飛び続けなければならない。1キロ歩いたら座りたくなる私は鳥にはなれないかもしれない。

第9回エキナカ書店大賞

2017-09-17 14:23:57 | 歌う
駅のなかの本屋さんの書店員全員が「自分が読んで面白い、お客さまにもお薦めしたい本」として2013年に創設されたのが「エキナカ書店大賞」

すでに15万部突破している「終電の神様」の広告が日曜日の朝刊に載っている。🔘 希望と感動のミステリ一 たくさんの人生を乗せ今日も電車は走る。駅ではない場所で止まった電車、終電の神様は乗客を平等に閉じこめた。

阿川大樹のこのミステリ一の広告に載っている4人の書店員さんのコメントが新鮮だ。

🔘 疲れた人々の心も前進させてくれる。

🔘 読み終わったあと、元気をもらってうるっとくる。

🔘読みやすさピカイチ!

🔘どの話も濃い作品ばかりでした。


それにしても私は何年も終電に乗っていない。古い歌を一首、、。

▲われのみが終電おりる独りには長すぎる夜のプラットホ一ム

グアムへ行きたいのに

2017-09-16 13:58:29 | 歌う
北朝鮮は15日朝、平壌近郊から弾道ミサイルを発射した。米軍基地がある米領グアム周辺をいつでも攻撃できる能力を示す狙いもあったと見られる。

寒がりの私は冬にはグアムで過ごすのが長年の夢である。7年位前に訪れたがこの冬こそゆっくり滞在したいと願っていた。ミサイルに高齢の私の切なる願いは砕かれてしまった。

グアムの思い出

左右とも指紋をとられいて気づくこのグアム島は米国なのだ

台風のときには海になるらしい道はハマナスの花を咲かせて

ラムラム山に背をむけ歩く今ここに津波がくれば駆け上がる山

津波など来ることないというようにヨットはいくつも沖にただよう

鉄砲の銃口覗けばコカ・コ一ラ空き缶のあるアガット砦

そこかしこ戦いの傷跡ありながらグアムとう島は厚き化粧を

青木が原樹海の私 その2

2017-09-15 15:04:13 | 歌う
▲ 文芸に関わるひとの贅沢な自殺とりわけ三島由紀夫の

不気味なうす暗い森がやや明るくなったとき、彼方に先ほど降りた観光バスが私たちを待っていた。樹海を歩いたのは20分程度。しかし多くの命の捨てられた森林を覗いのである。

不況と共に増す自殺を防ぐため、樹海へ入る人を捉えて説得するのが仕事の役人もいるらしい。「負債を背負い所持金のない人を一時的に保護する施設もあるそうです」とAさんは言う。

貧困のための自殺は切ないが同情できない贅沢な自殺もある。自身の自殺をドラマ化した三島由紀夫のあの自決。

自殺とは自分の命を捨てることだ。古いボロ靴さえ捨てられない私は、自ら命を捨てることなど決してないであろう。しかし、住居も貯えも失い、皆が私から離れ、飢え、病に犯され苦しむようになったら、私は生きていられるだろうか。恐ろしくなってきた。

急に寒くなってきた。これ以上書く気になれない。温かいお茶を飲む。