日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

シオンの回復

2009-04-16 | Weblog
  詩l26篇     
  バビロン捕囚から帰国した民がシオンの繁栄を期待し復興が成就することを祈り求める詩篇。
 
 1~2節 シオンの回復に対する感謝
  「シ主がシオンの繁栄を回復した時、わたし達は夢見る者たちのようであった」(1節)。岩波訳「シオンの回復を遂げたとき」捕囚の民がエルサレムに帰還し神殿再建を図ることを指す。「夢を見る」ほれム(=ケホレミーム)は死海写本「癒された者」70人訳「慰められた者」とも訳される。
  「その時、わたし達の口は笑いで、舌は喜びの声で満たされた。その時、異邦人の中で主は民に大きなことをされたと彼ら(異邦人)は言った」(2節)。帰還の喜びは、やがて廃墟のエルサレムが神の偉大な働きで復興することを先取りしたものである(イザヤ52章8~10節)。

  3~4節 繁栄の回復への祈り
  「主はわたし達と共に大きなことをしたと、わたし達は喜んだ」(3節)。口語訳  「主はわれらのために大いなる事をなされたので、われらは喜んだ。」岩波訳「喜んでいたのだ」2~3節は完了形である。新共同訳は4節以下を指している
  「主よ、わたし達をネゲブの中の川のように、わたし達の捕われ人を返して下さい」(4節)。この川は「ワジ」と呼ばれ荒れ野の乾燥した地域で、雨季に山地から一気に雨水が流れ下る処で、その一帯をネゲブ(原語“乾燥”)と呼ぶ。思いもしない出来事が起きる状態から神の業を思い描く(イザヤ35章6節see)。

  5~6節 回復の時の喜びと期待
  「涙の中で種を蒔く者たちは、喜びの中で刈り取る」(5節)。労苦なくして収穫は期待できないという労働原則があるが、しかしこの期待はしばしば裏切られる。古代社会では隣国に侵入して収穫物を略奪することがしばしばあった。イスラエルもその事例を、捕囚の出来事の中で読み取ったのである。
  「泣きながら種の袋を負っていく者は、喜びの声をあげ、穂の束を負って必ず来る」(6節)。5節の繰返し。
 
  種を蒔く者も、手入れする者も、成長し収穫に至らせる方があることを知る必要がある。それは福音の種蒔きにおいて特にそうである(第1コリント3章8節)