日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

苦悩からの解放

2009-04-19 | Weblog
  詩129篇
   
 イスラエルの嘆きの詩

 1~4節 イスラエルの若き日の苦しみ  
 「若い時から何度も、彼らはわたしを苦しめたと、イスラエルは言うように。…若い時から何度も、彼らはわたしを苦しめたが、しかしながら彼らはわたしに勝たなかった」(1~2節)。「若いとき」とは、エジプト脱出後カナンに定住した頃を指す(ホセア11章1節)。「苦しめた」諸外国からの侵略と、捕囚の連続であった(118篇2節、124篇1~4節)。
 「耕す者たちがわたしの背の上を耕し、彼らの畝の溝を長く延ばした」(3節)。過酷な農作業を強制された農夫は、自分が耕された土地であるかのように思う。
 「義なる主は、悪人たちの網を断ち切られた」(4節)。鋤につながれていた牛の軛の綱を断ち切るように、義なる主はイスラエルの民を自由にされた。

  5~8節 敵ののろい
 「すべてのシオンを憎む者たちが、恥を受けて後ろに退くように」(5節)。岩波訳「恥じて、うしろにしりぞけ」。イスラエルの解放は、屈辱からも解放する出来事。
 「抜く前に枯れる屋板の草のようになれ」(6節)。
「刈り入れる者の手を、そして束ねる者の懐を満たすことはない」(7節)。6節の比喩の説明追加。岩波訳「落ち穂拾いの懐も満たさない」。新改訳「刈り取る者は、そんなものを、つかみはしない。たばねる者も、かかえはしない」。フランシスコ会訳「まえかけを満たさない」。
 「そして通る者たちは、あなた方に主の祝福があるようにと言わない」(8節)。畑の傍らの通行人が刈り入れをする者らに投げる挨拶。
「わたしたちは主の名によってあなたがたを祝福する」(8節・付加部分)。わたし達はこの挨拶をするということである。8節はこのように解釈する方が文脈としてよい(岩波訳参照)。