日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

万軍の主は彼と共におられた

2012-06-20 | Weblog
  歴代誌上11章 

  9節「ダビデは次第に勢力を増し、万軍の主は彼と共におられた」(新共同訳)

  1節「すべてのイスラエル人はヘブロンのダビデのもとに集まり、こう言った。『御覧ください。わたしたちはあなたの骨肉です』」。すべてのイスラエル人とあるが、ダビデがユダの王となった記事(サムエル記下2章1~7節)、サウルの子イシュ・ポシェトとの王位争い(同2~4章)後に全イスラエルの王となる(同5章1~3節)経緯が略されている。彼らに主なる神から告げられた言葉は『わが民イスラエルを牧するのはあなただ。あなたがわが民イスラエルの指導者となる』であった(2節)。そして更にイスラエルの長老全員が集り、預言者サムエルが告げた通り、ダビデに油を注いで王としたのである(3節)。
  4節「ダビデはすべてのイスラエル人と共にエルサレムに向かった。この町はエブスと言われ、エブス人がその地の住民であった」。エブスの住民はシオンの要害を陥れることは出来ないと啖呵を切ったが、イスラエルの全軍はこれを占領し、ダビデの町とした。町の周囲に城壁を築いて堅固なものとした(5~8節)。エブスの町攻略の時に真っ先にエブス人を倒したヨアブをダビデは将軍にした(6節)。ここでイスラエル統一国家を建設するのである。ダビデは次第に勢力を増し、万軍の主は彼と共におられたと記している(9節)。
  10節「ダビデの勇士の頭は次のとおりである。彼らはダビデの統治に協力し、イスラエルのすべての人々と共に、主がイスラエルに告げられたとおり、ダビデが王となるように尽力した」。ダビデがイスラエル統一国家の王になるのに、勇士らが貢献したとしてヤショブアム(サムエル記下23章8節=イシュバアル)、エルアザルの名が挙げられる(11~14節)。
  15節「三十人の頭の中の三人が、アドラムの洞窟にいるダビデを訪ねて岩山に来たことがあった。ペリシテ人の陣営がレファイムの谷に張られていた」。ダビデがアドラムの洞窟に潜んでいた記事はサムエル記上22章にあるが、ペリシテの駐屯部隊がベツレヘムにいたことは特定できない。しかしここでは三勇士が命がけでダビデの求めに応えて城門の傍らにある井戸から水を汲んできて差し出したことが16~19節にある。ダビデはその水は彼らの血に等しいとして飲まず、主の祭壇に注ぎ、その忠誠心をほめた。三勇士の名前の一人がヨアブの兄弟アブシャイであるが、しかし彼はその勲功は重んじられなかったとある(20~21節)。この一連の並行記事はサムエル記下23章8~19節にある。ヨアブの子ベナヤについても同23章20~23節に出ている(22~25節)。
  26~47節は勇士の名簿。並行記事もサムエル記下23章24~39節にある。「ヘト人ウリヤ」(40節)はサムエル記下11章で妻バト・シェバとダビデとの不倫関係に陥った記事に登場する人物である。聖書を詳細に読むと、ダビデの汚点が出てくる。

  ダビデは全イスラエルの民の牧者となり指導者となることを予告しているが真に相応しい牧者、指導者は新しい時代を待たねばならない(イザヤ11章1節)