植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

太平洋戦争に学ばないから 「情報戦争に負けている」

2020年02月24日 | 時事
 太平洋戦争で、なぜ日本が負けたか、という本を読んだのを思い出しました。40年以上も前で、もう書名も忘れましたが、物量や軍備・兵器の劣後で負けただけではなく「情報を軽んじたから負けた」という主旨でありました。陸軍と海軍が、お互いに情報共有できず味方同士で争っていた、ということと、情報収集の重要性を軽視し、米軍は、早々とレーダーを開発して、日本軍の動きが逐一わかるようになっていた、暗号もすべて解読し、日本軍の通信は筒抜けだったということでした。双眼鏡と、飛行機の上からの目視で敵の動きを計るというような、戦国時代さながらの古式戦法は通用しなかったのです。

 今回の武漢熱は、戦争だと思えば非常にわかりやすい展開です。まず、未知で目に見えないという厄介な敵が攻めてきて、隣国で侵略戦争がはじまり、数多くの犠牲者が出ているという情報が、世界に流れました。中国は情報を統制し、自国の防衛力・戦闘力を誇示するために、被害を過少に公表しました。これは、あの「大本営発表」と同じ、国民の目を欺き、そらして、政府・軍部の判断を正当化しました。憲兵隊は、不満分子や批判勢力を弾圧し排除したのです。それで、撤退・玉砕が続く南方の戦線は「かくかくたる戦果を挙げ、わが軍の損害軽微」と言い続けたのでした。

 次にいよいよ日本に敵の斥候隊が来ました。あのクルーズ船です。これが、ファーストコンタクト、ここで、敵の能力を過小評価することなく、徹底した防疫体制をしき、相互感染のスパイラルを回避すべくあらゆる対策をとるべきだったのです。感染状況が明確になるまで、即座に乗員の分散・隔離をし二次感染は防御しなければなりませんでした。しかし実際は、「水際で棺桶舟」を放置したため、感染が爆発的に広がりました。少なくとも乗船者の26%が感染したという結果(途中経過)です。「濃厚接触というより、「意図的に閉鎖された汚染エリアを放置したら、どのくらい感染するかの実験をしていた」、とみるべきだと思います。
 韓国の新興宗教信者の爆発的な感染者増は、これを裏付けることとなりました。
「ほおっていたらどえらいことになる!」と政府・厚労省が初期に気づいて最大の警戒レベルと対策を講じるべきでした。
 
 そして、いよいよ防衛線はもろくもやぶられ、全国で被害が広がっています。戦線が拡大したのです。すると、数日前にやっと専門家会議が初めて開催され、安倍総理が数分えらそうな指示を出したとともに去っていきました。そして今度は、25日に「基本方針」を策定するそうな。
「ダメだこりゃ 泥縄式といいますが、まだ縄をナウではなく、まだ、泥棒さえ捕まえていないのです。」
 ところが、いまだに、感染者の意向を優先して、年齢や職業・住所等の公表を控えています。いつどこでどうして感染し、その人がどこでウィルスをまき散らしたかの情報が国民に知らされないのですよ。個人情報も個人の権利も時として制限されるべきです。  
 情報は、隠すためにあるものでも捻じ曲げるものでもありません。知り得た情報が人を救うことがあれば、包み隠さず開示するようでないと。多くの国民や生活が危険にさらされることが予見できる場合、個人の希望や権利は一時的に留保する、これこそ優先すべき「法律解釈の変更」なのです。

 いまだに、病院関係者にはお願いして患者を受け入れてもらい、会社には休ませ、時差出勤をお願いした、国民にはマスクは無いけど気をつけて、とすべて他人任せにしてます。目をふさぎ耳を抑えて、口では偉そうなことを言い、最後方にじっと事態が過ぎるのを願っているのが日本の司令部でありますな。
 竹槍持たして精神力だけで勝とうとした軍部と何ら変わりません。集中治療が出来る体制の病床数は、全国で1万は無いそうです。しかもその半分は、すでにほかの患者が使用中。従って重病化した患者が5千人を超えると、満足な治療が受けられません。自宅で寝かされるか、他の患者と一緒に寝かされ、人に感染させることとなりますわね。

 少なくとも、感染者の強制隔離と、感染ルートの解明・開示を行って危険ゾーンには近づかない措置をとるべきです。予備費などけち臭いことをしないで、数千億円の対策、すなわち、隔離施設・専門治療体制・検査キットの全国への病院配布なども医療的措置から、経済活動の制限と補填、防護用品の大量生産・配布なども同時進行しなければならない段階です。
 国を守るための自衛隊はどうした?高い戦闘機やイージス艦をアメリカから買う金が有ったら、病院船を作っておけばよかったのです。自衛隊の各地の駐屯所に、これからでも隔離施設をどんどん作るのですよ。そもそも。クルーズ船に最初に乗り込むのは毒ガス完全装備の自衛隊でなければならなかった。

 もう戦争状態なのです。あの情報戦で敗れた太平洋戦争の過ちを繰り返してはなりません。
 この騒動もいつか収束するでしょう。甚大な被害を被って終戦したとしたら、その責任を取って自刃するような、覚悟と信念を持った政治家や政府幹部はいないでしょうね。
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