昨夕は、長年勤めた某金融機関のOB会がありました。地区ごとに年一度の例会が催され、80人ほどのOBが出席していました。現役の頃迷惑をかけた人やら会いたくない人なども何人かはいましたから、この会はスルーしていたのですが、ゴルフの会でお目にかかった会長から、「ゴルフ以外にも顔を出すように」とやんわりねじを巻かれていたので、不承不承出かけて行った次第であります。
往年の面影もないほどに変わった(老いた)方から、ちっともお年に見えない先輩まで様々。平均年齢は71歳とのことでありました。そこで、ふと気づいたのは誰一人マスクをしていないのです。持病を持った高齢者が最も危険と言われる新型肺炎、大半がその有資格者と思われるこの集団は、世情に疎いのか、マスクを入手できなかったのか、はたまた、コロナウィルスごときは怖くないのかのいずれかでしょうが。
仄聞するところ、全国でマスクの品切れが起きているそうです。内外を問わずメーカーはフル稼働しており、少なくともわが国では、製造能力・原材料の調達、流通面ではなんら支障がないはずですから、明らかに買い占めが常態化しているのでしょう。一方で何倍もの高値で転売されているとか、中国人が爆買いして、母国に送っている(高値の販売目的なのか、絶望的に不足しているので支援しているのかは知りませんが)とかの情報もあります。いずれにせよ、こういう非常時にそれを金儲けの材料にしてどさくさに紛れて稼ぐということであれば、浅ましいとしか言いようがありません。
ワタシの家では、しっかり者の家内が兵站・兵糧担当なので任せきり、常時在庫があり、10日ほど前にはまだ販売されていたマスクを、3,4箱まとめ買いしてありますので慌てずにすんでおります。
すでに国内感染例も数十人(中国以外では最多)出ており、今後は更に罹患者の拡大ペースが加速するのではと懸念されています。日本ではまだ死亡例が無いということですが、武漢からのチャーター便の対応に当たっていた厚労省の職員が自殺していますので、一人とカウントすべきだと思います。それだけ深刻に受け止めるべきなのです。
なのに、この国会ときたら、相変わらず「桜を見る会」で紛糾しております。新聞や識者は、いつまでもこれに固執する野党を非難する向きもあります。これは、仕方がないのです。もし、2大政党でありせば、国政・外交問題に対し堂々と論陣を張るところでしょう。ところが実際は、自民党に絶対的権力を長期に築かれて、攻めどころもなく政権の数多の問題を追及しても、役人と結託して蹴散らされてきました。少数野党ばかりで、やっと突っ込みどころ満載の疑惑が浮上したので、これに縋るしかないのですね。
ですが、よく注視すれば、安倍総理側の非が明らかなのです。長期政権の驕りや綱紀のゆるみで政権が生み出した問題ばかりです。疑惑を払しょくし、自分たちの主張する説明を裏打ちできるはずの疎明資料を一切提出せず、調査すら拒み、問題を正当化するためだけの閣議決定を連発しました。嘘ついたと追及する野党議員に、あんたが嘘つきだと怒るのは哀れに思えます。今朝ご飯を食べましたか、の問いに、食べませんと答え、実際食べたのはパンだもん、という屁理屈で返すご飯論法というのだそうです。
この問題は、本来、名簿・公文書・内部資料・契約書・領収書見積書などを早々に提出し、問題点については謝罪してしかるべきけじめを付け、昨年末には片付いていなければいけなかったのです。政権の支持率がこれだけ低下することも無かったのではと思います。
そうすれば、政権を投げ出さなかったとして、遅滞なくコロナウィルス・予算・少子高齢化・経済対策・環境問題などを論議できたはずでしょう。外交でも半島2国はじめ、イラン危機・対中政策、北方領土問題などが山積しています。
こうした国会の機能不全・形骸化は最終的にワタシたち国民の生活や将来に暗い影を落としているのです。