先月末に書いたブログ、「地上の星」の話です。その時に取り上げた、新型肺炎の発症に警鐘を鳴らしたお医者さんが亡くなりました。まだ37歳の若さで、眼科の医師だったそうです。中国の公安に引っ張られ始末書を書かされた後、新型肺炎の患者の診察治療に戻った挙句ご自身が感染し、とうとう命を落としました。事態が収束後に世界的なヒーローになって欲しいと思っていたのに、暗転、地上の星が地に堕ちてしまいました。
中国人ならずとも、その不条理さを嘆き医師の死を悼み、そして今の中国の体制に危機感を覚えているでしょう。
武漢に突貫工事で作った緊急の新型肺炎患者用病院。こういうのを泥縄式というのです。確かにあっという間に出来上がり(10日足らず)1000人以上の入院に対応できるような規模でしょう。しかし、死者は家族にも会わせずそのまま焼却するというような情報もあります。沼地みたいなところを地ならしして、見た目は病院になりますが、壁付の野戦病院というべきでしょう。こういう煙幕を張って、一時しのぎ、批判を交わす、実態を見えないようにするといった意図が見え隠れし、素直に賛辞は送れません。やらないよりましではありますが。どうやらSARSの時も同様のことを行っているようで、お得意技とも言えます。患者数も死者数も毎日増えていますが、実態は不明、恐らく一桁違うのではないでしょうか。
個人レベルから市同士までのマスクの取りっこ。ドローンで監視して空からマスク着用を促す。麻雀卓をハンマーで壊す。映像からは、中国の実態のほんの一部しかわかりませんが、とんでもないようなことが起きていても不思議はありません。
それにしても、今回のパンデミックで、はからずも世界が中国の影響の大きさを実感することになりました。豪華客船からフェリー・クルーズ船が各地で足止め入港拒否の事態となっています。日本でも、全国の観光地・旅行社・旅館などが中国人観光客の激減に悲鳴を上げています。製造業は中国からの部品・物資が入らなくなり混乱、中国内にある外資系の工場は軒並み操業停止に追い込まれています。
株価の下落・人民元安と世界経済に落とす影が濃くなりつつありますね。以前ここでちょっと説明しましたが、今や中国は世界一の規模と影響力を持つ国になっているのです。
主要な国では非常事態宣言を行って、中国からの物資・流入を禁止し、中国への渡航までも厳しく制限し始めました。
日本はと言えば、相変わらず「桜」を巡っての国会論戦が止みません。実質審議ストップしています。中国からの影響が最も大きく感染者数もトップなのに、いまだに緊急体制がとられていません。あのダイヤモンドプリンセスやチャーター便による帰国者は、大きな政府機関管理の大型施設に移送し、隔離検査を行うべきなのです。受け入れてくれる民間のホテルの好意に依存し、自衛隊が配膳サービスを手伝うというような中途半端な対応では防げないと思いますよ。
あ、そうだ、中国にお願いして突貫工事で隔離施設を建設してもらえばいいのか
習近平さんを国賓で招待しているのですから。
蛇足ですが。あの北村特命担当大臣、いつから公文書担当大臣が出来たのでしょうか。昨年来さんざん公文書管理の在り方について議論の的になっていたのに全く気配を消していました。ここにきて、急に国会に引っ張り出されたら、一気に国会が大混乱、「迷走」「珍問答」「立ち往生」していると一斉に報道され、野党の矛先が「大臣の資質・任命責任」に向かおうとしています。というより与野党議員揃って唖然としているみたい。
これは、周到に用意された安倍爆弾ですよ。ミサイル誘導用のレーダーを攪乱するデコイ(decoy)です。「さくら」とも訳されます。爆発させて濛々と広がる煙が煙幕となり、本質からおちゃらけの問題にすり替えて批判をかわそうとしているのです。こんな人に答弁させたら、安倍総理の思うつぼ、国会を空転させ会期を浪費させて大臣更迭で幕引きにする魂胆が見え見えですな。