ここにきて、またお笑い芸人さんや芸能人のコロナ感染が報道されています。公表されてるだけで、1週間で16、7人であります。世の中で芸能人はだいたい1万人いるようですから、1週間で芸能人中0.17%という低い感染率、と思ったら大きな間違い、国民全体でその割合ならば17万人(一日だと2.4万人)感染している計算になりますから、今公表されている最近の新規感染者のペースの倍くらいになるでしょう。この業界の方たちは、人との接触が極めて高いので感染率が高いのも仕方ないのですね。
オリンピックで感染した関係者は約500人だと公表されています。JOCはPCR検査の通算の陽性率は0.02%だったと胸を張っています。これはおかしいのです。世間で出回るPCR検査は、疑わしい症状が出た人および濃厚接触者しか検査を受けないのですから、移動平均陽性率が16%(8/12)と高くなるのは当然なので、これと比較してはいけません。
入国前・選手村に入る前からワクチン接種確認、一定の隔離生活、で無感染者であることを一応チェックしてきたので、バブルでシャットアウトしているなら本来は0%でなければならないのです。しかも同じ無感染者に何度もPCR検査しても(およそ一人10回)陰性になる確率は極めて高いのです。オリンピックの前後で3週間に500人感染したとすると一日28人、五輪関係者が5万人として全体の0.06%が感染した計算です。
日本全体では、毎日平均14千人以上の新規感染が確認されています。感染率は0.015%であります。東京だけでは人口14百万人に対して、ここ1週間での一日平均感染者は4千人ちょっと、一日あたりの新規感染率は0.03%になりますね。
つまり、厳格にコロナ対策したはずのオリンピック関係者は、日本人平均の4倍、都民の倍の確率で感染したんです。別の見方をすると、オリンピックを開催したために、海外から来た5万人の関係者のうち500人の新規感染者が上積みされたという理屈になるのですが、違いますか?
オリンピックによって、人の警戒が緩み、感染しやすいお祭り気分になったのは明白でも、それでどれだけコロナが拡大したかなど誰も計算できないのです。だから政府もJOCもとぼけていられるのです。
現在のコロナの感染者の推移をみると、いまだピークに達したとは考えられません。今までのパターンで言えばおおよそ感染増加局面になってから短くてもピークになるまでに2か月ほどかかっています。今回の第5波はおおよそ6月下旬から増加局面になりました。すると早くても8月下旬あたりまではずっと感染拡大が続く、さらにデルタ株で感染力が強く過去の倍近いペースで増加していることを考えると、9月にずれ込むのは確実なんですね。
そこで、政府は何をやろうかとしているか。今月末からのパラリンピックは有観客じゃだめなのか?、コロナが落ち着いたら「出口戦略」で景気対策やらなきゃ、20万件ほど抗体カクテル予約したよ、だから安心してね、という態度であります。障碍者とその支援者たちが世界から集まり、コロナの紅蓮の炎が燃え盛る中に、放り込まれるのです。そして、万一感染してもどこの病院も受け入れませんよ。
抗体カクテルが日本に届くと思いますか?ワクチンは半年以上もじらされ遅れたではありませんか?。いまだに品薄で、若い人はまだ1回目すら打ててないのです。絵にかいた餅なのです。
神奈川県では昨日、過去最高2,281人の新規感染者が出ました。残念ながら、ネットでのコミュニケーション仲間が、コロナに罹って入院しました。うちの近所のマンションに防護服の救急隊員が出入りしていた、せがれの会社の同僚が陽性になり「自宅療養」している、などとコロナがひたひたと周りに迫っていることを感じます。
小池さんは、入院先が見つからず自宅で解熱剤を飲むだけのコロナ患者のことを「自宅病床」 で療養中と表現しました。死んだら罹ったものの責任だと言うでしょう。重い病気になっても治療も入院も受けられない人が自宅で生死をさまようことを、自宅療養と呼んではならない、と思います。これまで有効な感染対策を怠り、コロナ受け入れの医療体制作りを怠ってきた医療放置なんです。行政の責任放棄なんですよ。