植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

原子力発電と原爆を一緒くたに考えてはいないが

2023年01月23日 | 時事
あの漫画おたくの麻生太郎さんが、講演で「原発は調べてみたが死亡事故が起きた例は0だ」と仰ったそうです。ワタシも僭越ながら調べてみました。たしかにネットでググると、のっけに「(原発事故による直接の死者は)確認されていない。」と出てきました。これはあの福島原発が次々に水素爆発を起こした際には誰も死んでいない、という誤解を生みやすい誘導的な記述であります。
また「原爆と原発を一緒にして騒いでいる新聞もある」と仰っております。誰でも原発との違いは知っていますよ。目的が違うし、その発生させるパワーの制御や源になる核燃料の量なども差はあります。しかしながら、ウランなどを使って核分裂させ膨大なエネルギーが発生することや、その過程で植物や生命体に致命的な障害をもたらす「放射能」を出すことは一緒なんです。

実際には過去、全国の原発で少なくとも2例の死亡事故が起きております。また、青森県の六ケ所村に核廃棄物のリサイクル関連工場が出来ましたが。全国の2019年、75歳未満の癌による死亡率は1位青森県、(以下秋田県、鳥取県、高知県、北海道)であります。全人口では9年連続ワースト2位、平均寿命は、男女ともに全国最下位 だそうです。

北国は冬が長く家に閉じ込められるので①運動が減って糖尿病になりやすい ②お酒の量が増え、塩辛いものを食べるので高血圧になる などと言われます。また青森は喫煙者の割合もワースト3だそうです。しかし、どうもそれだけが理由ではなさそうなのです。

さて、福島はどうであったか、「 直接の死者は確認されていない。 爆発の際には、少なくとも16人が負傷した 。」という記述が検索結果のトップに出てきます。これは誰が出してるの?
しかし、その後 後片付けが始まり廃炉作業が延々と続いております。開始後2か月で作業員が一人亡くなっているようです。現場にとどまって獅子奮迅の活躍をした吉田昌郎元所長は、2年後、58歳で体中に癌が出来て亡くなりました。全国から集められた作業員(ほとんどが下請けの派遣作業員)がその後どうなったかなどは誰も分かりません。作業にともなう被曝により体調を壊したら金を貰って解雇されるだけです。かなりの下請けは暴力団が差配しているそうですから。

復興庁の発表によれば、震災の関連死者数は2333名です。これは被害が大きかった宮城県(震源は牡鹿半島の東南東130km付近 )の930名を大きく上回ります。その最大の要因が福島原発に由来するものであることは容易に想像できます。子どもの甲状腺がんは、発生率0.0002%位とされていますが、福島県では38万人中167人が甲状腺がんだった、ということは発生率が0.04%と220倍も多かったということになります。

つまり、社会見学の対象にされて、原発は絶対安全だとワタシ達が子供のころから教えられていたのに、実際は安全ではなく爆発した結果、12年経っても廃炉や汚染水処理が終わらないという事だったのです。しかも、いまだに所得税から2.1%を復興税として取られ、10年間で約30%も電気代が値上がりしています。

麻生さんに申し上げたいのは、原発と原爆の元は一緒で「一つ間違えば大惨事になる危険がある」ことと、もし福島原発が無かったら、死なずに済んだ人が大勢いるという現実であります。

電力はもともと全国大手10社横並びのルールがあって、規制料金とされています。原材料費などの価格などを諸般の事情によって、申請すると一律で料金改定が行われる仕組みです。国がコントロールする国策会社であり、国民の生活基盤となるインフラですから、簡単に経営破綻されては困る、という理屈であります。①すべて原発に依存させて、②相互の電力供給の融通は利かず、③新電力会社の参入を妨害し、④談合で価格を決める ⑤再生可能エネルギーは出来るだけ導入しない、という体質は、震災後も改まっておりません。経産省や地方自治体からの多数が天下る先でもあります。

民間企業であり、年中立派なCMを出している企業なのに「企業努力」とか過去の内部留保を放出する、賃金カットや人減らしなどリストラする、などという話は電力会社から聞いたこともありません。原発事故というのは、東電が津波対策を怠っていたせいではないのですか。

一方、新電力会社は、太陽光発電などで安価に電力供給する、というコンセプトですが、ワタシが昔金融機関で働いていた頃、怪しげな聞いたことも無いような電力会社の看板が個人宅や雑居ビルの一部屋に掲げられているのを幾度も見かけました。

そんな中、あのお澄ましで美人(と言われる)のインテリ三浦瑠麗さんの旦那さんが、太陽光発電事業の出資で詐欺をしたとの容疑がかかっているらしいです。さもありなん、太陽光発電は(多分)、えびの養殖とかリゾート物件への投資などと同様、詐欺的ビジネスになりやすい儲け話なのだと思います。残念なのは、その妻の三浦さんが、盛んにテレビで夫の業種を称え推奨しながら夫の仕事の事は「自分は全く知らない」との姿勢をとっていることです。夫婦仲が悪かったのでしょうか(笑)。

男であろうが女であろうが高学歴と華やかなキャリアを積んだ人が、上から馬鹿にしたような顔で物を言う人が目につきます。歳をとったらそんな内面は「顔に出ますよ」。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ボ~ッと生きてんじゃねぇ~... | トップ | 腕がないのは道具でカバー »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時事」カテゴリの最新記事