植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

悪いことはしないに越したことはない

2023年08月03日 | 植物
世の中、とりわけ報道・放送局は「ビッグモーター事案」で持ち切りであります。同族経営のご乱脈・パワハラ・ガバナンス・コンプライアンス違反など実態が明るみになればなるほど放送ネタとしてもってこいなのでしょうね。

これほど極端で特異な事例は稀でしょうが、実社会でこの手のトラブルは多いに違いない、と見ております。世の中にはいい人と悪い人がいて、半々ではありません、ワタシの経験で言えば前者の方が多いはずなのです。しかし、心の中に、いくらかでも悪意や犯罪的な衝動を持っていても「自制」しているという人間が実は殆どであろうとも感じます。

ビッグモーターよりももっと大事な、切実な社会問題は数多あろうと思いますが、つべこべ言っても仕方ありません。今朝も、ワタシはご先祖が残してくれたわずかな土地に建てた店舗(コンビニ)の周囲をゴミ拾いし、草取りをしてきました。ワタシは家内と二人の零細企業経営者、ビッグモーターとは比較しても仕方ないのですが、環境整備はちゃんといたしております。国道に面した植え込みが3箇所、いずれも除草剤を撒いたり立ち木を伐採したりはいたしません。

こうした建物を建てるとき、小規模開発行為として市役所に申請します。すると建築課は様々な都市関連法規に基づいていくつもの条件を付けて許可してきます。その一つが「都市緑地法」に基づく開発対象土地の緑地部分の確保であります。土地全部をコンクリートなどで覆うのではなく、最大10%くらいは緑地として植樹しなさい、と条件が付くのです。

ビッグモーターは、公道の植え込みを本部からの「環境整備」検査対策として木を枯らし、枝を伐採し、草一本生えないように除草剤を撒いていたようです。それに飽き足らず、敷地内の緑地帯までコンクリートで固めている事例もあるようです。これは、法律に違背する行為であります。役所は条件を付けて、完工検査時にそれが守られているかは確認しますが、それでおしまい。それ以降に現状維持がされているか等は知ったことではないのです。公道の植え込みも然で、木が枯れようが雑草が茂ろうが滅多に管理・整備には来ません。

かの経営者親子は、自分たちがやってきたことの愚かしさや罪深さを、これから思い知ることになるのでしょうが、それでも金銭的には得たものの方がはるかに多いと思います。それだから悪い人がなくならないのです。

都市緑地法の精神は、建築時に木を植えろでは無くて、恒久的に景観を守り環境にやさしい都市づくりのために緑地の面積を維持しよう、ということのはずであります。

ワタシは私人ながら、自発的にその緑地法の理念を守るべく努力いたしてるのです。緑地にはちゃんと柑橘を植えております。最初のつつじは全部抜きましたが。

ここから、本題です。国道沿いの歩道にある3つの植え込みは自然に枯れた木が数本ありました。代わりにワタシは、自発的に自分の建てた店舗の緑地からつつじを3本移植し、それ以外にもイヌマキ、南天をわざわざ苗木を購入して植えているのです。勿論定期的に除草し、剪定も致しております。国や県の土木事務所が怪しからんといって、抜かれても文句は言いませんよ。


その中の「イヌマキ」は実は、ワタシの心の中にある悪い人間の部分の原点なのです。忘れもしないまだ4歳位でしょうか、九州の田舎の温泉場で幼稚園に通っていたのが60数年前であります。両親が教員だったので、いつも一人で登園していたのです。その道すがら、あるお宅にこのイヌマキが植えてあり夏になると紫色の実が付きました。これは先端に緑色の種子がつきその周りの下部に花托と言われる可食部分があるのです。

それが食べられることを知っていた幼いワタシは、幾度かつまんで食べたことがあるのです。 厳密にいえば人の家のものを取って食べれば「盗み・犯罪」であります。貧しく甘いものに飢えていたワタシ、幼心にも悪いことと知りつつ手を伸ばしたのでした。勿論その家の方も放置しているし、ワタシのことを見ていたとしても何のとがめだてもしなかったでしょう。しかし、その時の情景が今も忘れられないのは、自分の中で「悪いことをした」と咎めているのです。

65年も前に犯したほんのささいな出来心の罪、良心の呵責がどこかに残っているのです。それを自分の戒めとしてここまでやってきました。ひとのものに手を出す、それが犯罪の起こりの一つであろうと自戒を込めて記しておきました。

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