昨日、当地でも梅雨入りだそうです。雨が降り続く一月ほどの間は、ガーデニングを楽しむ人たちにとっては、もどかしく、表でいろいろとやりたいことが制約されます。知らないうちに害虫も増えますし、雑草も蔓延ります。
雨の日は畑に入るべからず、といいます。濡れて作業効率が悪いばかりか、殺虫剤・殺菌剤なども水に流されるので、散布できません。湿った土を足で踏み固め、泥はねは野菜などの病気にもなります。じっと我慢です。
一方で、それまで乾燥してあえいでいた、草木は、適度な気温と潤沢な水分で、一気に元気になります。施していた有機肥料が土に混じり水に溶け、根がぐんぐん栄養を吸う訳ですから最も成長する時期でもあります。
問題は、日照時間ですね。いくら水分があっても、光合成の源になる日光が乏しければ、植物たちは「ヒョロヒョロ」になったり、青みが乏しくなります。なかには根腐れするものもあります。当然気温も低いので生長も悪くなりますな。
理想を言えば夜半まで降って、昼過ぎまで晴れ、そこからゆっくり曇ってまた夕方から降る、といったパターンですが。そううまくは参りません。
今は、なんといってもスイカ栽培で要注意の時期です。一般的な露地栽培では、梅雨に入る前の5月下旬から6月中旬くらいまでに、着果しなければなりません。4月後半から5月上旬に植え付けた苗は、この時期にドンドンツルを伸ばし始め、6月に入ると開花します。ここで、生産農家さんはきちんとツルの剪定を行い、一苗当たり、2,3個のスイカにとどめるのです。
ズボラ農法のワタシは、そんな面倒なことは致しません。ツルが伸びすぎない(ツルボケ)程度に、適当なところでカットいたします。
通常晴天が続けば、大玉スイカは放っておいても受粉しますが、より確実性を求めるならば、前日子房を確認した未開花の雌花を見つけたら、翌朝(遅くても9時前)に雄花を摘んで、雌花にこすりつけます。さらに翌日見て、プッと一回り膨らんでいたら無事「おめでた」であります。これを日記に付けるか、幼果に授粉日を書いたタグを付けます。これによって、おおかたの収穫時期が計算できるのです。
スイカ栽培で最も大事なのは収穫時期の判断なんです。
これが授粉前
受粉確認出来ました。
1週間たつとしっかりしてテニスボールほどになります。これに、動かないよう座布団を敷くのです。
着果個数もあまり気にしません。八百屋に出すでなし。持ちあがらないほどの大玉を一個作るより、小ぶりのスイカが4,5個あった方がいいのです。ご近所に差し上げますし、一度にそう沢山は食べれませんから。
昨年は、間違えて「小玉スイカ」が出来ました。それまでは「縞王」と言われる大玉品種の苗を5本ばかり買い、20個のスイカ収穫を目標としておりました。そこに、二苗が小玉スイカが混入していたのです。形が長細いなー、大きくならないなぁなどとのんきに見ておりましたが、肥大しなくなったので、ままよと切り落とし、中を割ったところ、偶然にも熟して甘い西瓜になっていました。ウチでは、家内が品質検査官なので、彼女が美味しいと言えば成功となります。以降は小玉スイカを手掛けるよう指示をうけました。
小玉スイカ侮るべからずです。自家受粉しないので作りにくい、大しておいしくもないと、勝手に思い込んで敬遠していたのです。それで、今年は大3本小3本で育てています。
その小玉スイカの一つが屋上のプラ舟で栽培中であります。
プラ舟に水抜きの穴をあけ、こんもりと土を盛って植え付けしました。立てて使う誘引用ネットを寝かせて、ツルを這わせます。その下にはクレソン栽培のプランターを置きました。降雨量の調整がしやすいよう、土の半分ほどはビニールで覆いをしております。
一昨日雌花を発見し、二日に分けて人工受粉しました。
今朝は、こんな感じ。とりあえず3個の受粉したようです。
梅雨に突入する前に全部で10個ほど、最低限の着果が確認できています。これが雨続きだと受粉しないのです。濡れた雌花には花粉がうまくついてくれないのです。そうなるとどんどんと着果が遅くなります。本来梅雨時期に根を延ばし、葉を広げ幼果に栄養と水分を十分に送るのです。そして地力がついたころ梅雨が明けて、暑さと乾燥・日照りでスイカがぐっと甘くなります。
西瓜にとっては、空梅雨が望ましいのです。雨の量が少なめの方が根の張りが深くなりますし、日照時間・平均温度も高くなります。昨年は散々でした。受粉出来た数も少なく日照不足と大雨・低温が重なり、美味しくなったのは僅かでした。日照りが続いた夏はスイカが甘いといいます。ハウスなど無い素人菜園は、あくまでお天気次第であります。
幸い今日は晴れております。今年は暑くなるなー、雨なんか三日に一度降れば沢山、と無責任に思ってしまいます。なんだか今年は断然おいしくなるような予感がいたします。
こういうのを脳天気といいますな。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます