我が家の周りは、10年頃前は、一応活気がありましたが、
今は、かなり閑散としています。左隣2軒は空き家です。
どちらにも96~7歳の仲の良い寡婦になられた奥様方が住んで
おられました。2軒先のとても明るくて優しいH様はもう10年位前から
介護施設に入っておられます。最初はうちを含めて、ご近所の皆さんに
「留守にして済みません。間もなく、自宅に戻ることになりました。」と
何度も人懐っこくお電話をかけてこられていましたが、最近は音沙汰ありま
せん。お隣のM様は、私共、越してきて以来、一番親しく何かと
お世話になった方なのですが、3年前に施設に入られました。
それまでは近所に住む75才の長女の方が時々来られていました。
近くに次女もいらっしゃるのですが、彼女は若くして緑内障が
進んで介護される身になられたのです。又斜め向かいのお宅は両親を
早く亡くされた息子さん達が売却、現在、空き地となり他の方の家が
建つところです。お向かいのHさんは96才のご主人と90才の奥様と
時々寡の長男さんが住んだりしておられたのですが、
日曜日の明け方、車の音と人声がして異変を感じました。
Hさんの奥様は元気な方で、長男さんの孫(曾孫)達が、湘南方面から
来られるのを、いつも歓待しておられました。ところが5年前位に、
一寸骨折で入院されて、その病院で、院内感染されたとかで、
退院までなんと7か月間もかかり、ご家族は疲れ果てて大変な
思いをされていました。良く分からないのですが、
病院側の不手際だったようです。奥様は驚く程小さく豹変されて、
弱弱しく、その後は、自宅介護となり、何台もの介護関係の方々の
車が出入りする日常でした。今の介護制度は凄いと思いました。
Hさんはお隣意外、あまりお付き合いがない方なので、思い切って
伺って「どうかされましたか?」と息子さんに尋ねました。
私共は歳の順でご主人がどうかされたかと思っていたのですが、
「先週入院した母が亡くなりまして」というお返事で驚きました。
残された96才のご主人がお気の毒で哀れでなりません。
ご冥福を祈っています。