若い人に「鬼畜米英」と言っても何のことかわからないかもしれない。
戦時中、アメリカ人を見たこともない人々が「鬼畜米英」と叫んでいた。
節分の豆まきに出てくる鬼でも想像していたのだろう。
今は「反韓・反中」だが、実際に会って話をしたり、あるいは商売をしたうえでそう思っている人は、どれくらいいるのだろう?
日本人の8割くらいは中国が嫌いのようだ。韓国についても似たようなものだろう。
国と国との関係を「好き嫌い」で判断しないほうが良い。
いろいろな角度からその国の良い点、悪い点を見たうえで冷徹な判断を下すべきであろう。
日本は民主主義国家で、中国は独裁国家という通り一遍の見方も怪しい。
なぜかというと、日本の民主主義はかなり劣化して来ている。
第一選挙に行く人が50%しかいなくて「何が民主主義だ」と言えなくもない。
さらに安倍・菅政権が行った数々の悪行(公文書の隠蔽・改ざん・破棄)を国民は見逃している。
中国のこのところの「人権無視」は、やはり強く非難されるべきだろう。
香港やウイグル、チベット問題だ。
日本政府の「音なしの構え」は勇気の無さの表れ。
習近平を中国の国民は評価している。
その理由は国民生活が着実に向上していること。
それと腐敗撲滅運動が国民の喝さいを受けている。
もっとも習近平体制が盤石ということではない。体制の不安があるから言論封圧に動いているのだろう。
(安倍・菅政権のこのところのカネにまつわる癒着問題の対応は大問題。身内に甘いこの政権の特性)
今、日本の政権で唯一中国の上層部とまともな話が出来るのは二階幹事長だけだ。
しかしその二階幹事長も媚中派というような名目でアメリカから目をつけられている。
茂木外相がもう少し日中のパイプ強化に動くべきだが骨がない。困ったことだ。
中国国内の情報がこのところあまり入ってこない。いろいろなルートでパイプを深めておくべきだ。
中国は歴史が始まってから一度も「民主主義」を経験していない。
これはこの国が持つ大きな弱点であろう。
「専制国家」は、どこかで必ず限界が来るのだろうが、共産党政権が倒れても違った形の専制国家が出来るだけかもしれない。
あるいはアメリカのような連邦制国家が出来るかもしれない。
(その時には期待を込めて言えば民主政治が始まっている)
そんな中国とどう付き合うか、2000年来の日本の課題なのだ。