国際連合はその発足から重大な欠陥を持っていた。
常任理事国5か国がまとまらなければ一歩も前に進まないという点だ。
米ソ冷戦が始まるとその欠陥はあらわになったのだが、また再び世界大戦は起こしたくないという加盟国の意志で何とか持ちこたえてきた。
ところがロシアがウクライナに侵攻するに及んで、もはや国連はにっちもさっちも行かなくなった。
過去に西側が行ってきた軍事介入にプーチン大統領は激しく噛みついてきた。
「軍事力の行使は、その決定が国連で承認された場合のみ合法なのです。そして我々は、国連の代わりにNATOやEUを持ち出す必要はありません」
この段階ではどちらかというとプーチンに分がある。
しかし彼はこの主張をかなぐり捨ててウクライナに侵攻した。
もはや「目糞鼻糞を笑う」類だ。
最近は「グローバルサウス」とかいう言葉が乱れ飛ぶ。
新興国や途上国を指す言葉らしいが、両陣営がこれらの国の支持を得ようと躍起になっているという。
しかしあまり力のない国の支持を集めても解決の道が出来るとも思わない。
私の見方は悲観的で、行きつくところまでいかなければ国連改革などは出来ないだろう。
それはロシアの崩壊なのか、ウクライナがギブアップするのか、今のところ極めて微妙だ。
あるいはこの程度では収まらないかもしれない。