東アジの情勢は台湾をはさんでアメリカと中国がにらみ合う展開になって来た。
この狭間の中で日本が採り得る選択は二つある。
シカゴ大学のミアシャイマー教授(米国屈指の外交リアリスト)によれば、
①米国のような同盟国に追従する(Band-wagoninng)追従性策。
②中国に真っ向から対峙できる大国、すなわち米国にその負担を巧みに回す(Buck-Passing)責任転嫁。
この説はもう10年以上前に唱えられたのだが、今でも十分に通用する。
安倍・菅・岸田と3代にわたって追従性策にどっぷりとつかってしまった。
外交政策によって巧みに日本独自の道を探るなどと言う智慧は、はなから無いのであろう。
アメリカの本音が読み切れていないからこうなる。
アメリカの本音は次だ、
米国は今後、中国の台頭に対して自らが直接手を染めるのではなく、まず日本や韓国、豪州やベトナム、さらにはインドなどに軍事力の増強などを働きかけることで、肥大化する21世紀の「中華帝国」との勢力均衡を図りつつ、自らも有事に備えて着実に力を蓄えておくという二枚腰の戦略を指向する。
米国は10年以上かけて「対中戦略」を着々と実行している。
日本はといえば「ノー天気」といえるほどにこのシナリオどうりの展開だ。
今後5年間で防衛費を倍増させるわけだが、その内容について国会論戦は極めて低調である。
ところがその内容についてマスコミでどんどん報道されているのはどういうことだろう。
国民の理解も進まないうちに、
覚悟もないまま、戦争に走りこむような事態を許してはならない。