プーチンによる非道・非業なウクライナ侵攻により、ロシアは一挙に17世紀のピョートル大帝時代に戻ったようだ。
プーチンという一人の独裁者が全てを決めて多くの国民はひっそりと暮らしている。
ひっそりならまだ良い方で、積極的にプーチン賛美の声を上げないと身が危ないという。
ロシアが小さな小競り合いでたとえ勝ったとしてもロシアの衰退は止まらないだろう。
すでに、2022年のロシア経済はマイナス8.4%の予想が出ている。
政治学者のフランシス・フクヤマの発言が示唆に富む。
NATOのような機構の存在と、リベラルな民主主義社会に生きていることをありがたいと人々が思うようになれば、民主主義社会の連帯感は増すと思います。
眠っていた1989年の精神(東欧社会主義諸国の民主化運動)が、いま再び目覚めるところなのです。人々が、正当な理由のために戦うという思想に好感を寄せているのは、間違いないと思います。
ところがわが国では、自民党の右派や維新の会が「国家主義」の方向に舵を切りつつあるのではと、懸念を抱かざるを得ない。
わが国の国民性は「熱しやすく冷めやすい」とよく言われる。
国の守りはしっかりすべきだが、頭に血が上って冷静な議論を吹っ飛ばしては困る。
半藤一利が言い残した遺言がある。
「国民的熱狂をつくってはいけない」