孫子は「兵は詭道なり」という名言を残している。
相手が戦いの準備が出来ていないときに、「短期決戦」で相手を叩けばほぼ100%勝てるだろう。
安倍自民党はこの手を専らにしている。
2014年12月は消費税の増税先送り、2017年10月は北朝鮮危機を煽って衆院選を戦い、ともに大勝した。
野党勢が大同団結できず、小・中規模勢力で乱立している状況の時に仕掛けたのだ。
衆議院の総数は465で過半数は233だ。
現在自民党は284議席だ。50議席を失えば単独過半数を割れるかどうかの瀬戸際に立たされる。
野党がどのような戦い方をすればよいか?
結論は、はっきりしている。289ある小選挙区に野党統一候補を立てて5分の戦いに持ち込むことだ。
難航したようだが19日、立憲民主党、国民民主党、社会保障を立て直す国民会議が、野党統一会派を結成することで合意した。
衆院117人、参院61人の規模で、これだけまとまれば、自民・公明の与党はかってのような強引な国会運営を出来にくくなる。
問題は次期衆院選に向けて全選挙区に野党統一候補を立てることが出来るかだ。
さらには「令和新鮮組」や「共産党」とも共闘が可能か?
かって民進党の選挙対策委員長だった「馬淵澄夫」が、前回落選者組(約40人)をまとめて活動しているが、この辺も戦線に参加してくれば面白くなるだろう。
馬淵澄夫の次のような分析は傾聴に値する。
「データーだけでいえば、惜敗率70%の候補者は次の総選挙で小選挙区での当選確率は5割、惜敗率60%の候補者は比例復活する可能性が6割ある。つまり、次の総選挙で立憲民主党、」国民民主党、野党の無所属が数を増やすにはこれら落選者が当選していくことしかないんです。(惜敗率70%以上が27人、60%以上が44人いる)」
野党が戦線を立て直し、これら落選者に対しても十分なケアを行えば、「野党が永遠にダメな状況」を防げるだろう。
かって自民党のホープと言われた中村喜四郎(野党系無所属の会)は、今は黒子に徹して野党勢力の結集に尽力している。
「野党が強くならないと、国民の政治への関心は戻ってこない。野党があと50議席増やせば、政治に緊張を取り戻せる」
まったくその通りである。強くなりすぎて「専横を繰り返す政権」に対する歯止めと、「国民の政治離れ」を取り戻すことが必要だろう。