今年は世界的に総選挙が行われている。
選挙が行われていれば民主主義的かと言えばそうでもない。
ロシアは専制主義国家だ。選挙という偽装を常態としているが中身は胡散臭い。それだけに始末が悪い。
イランも専制国家だが政権交代は起きた。国民が勇気を出した結果だろう。
フランスの哲学者エマニュエル・トッドによれば、
リベラルな体制とは、市民に言論や信仰、政治参加といった基本的な権利を保障することにより、政府の権力を制限するもののことです。公平な尊厳、そしてそうした権利を擁護していれば、リベラルな体制と言えるでしょう。
もちろん日本はリベラルな体制である。
ただこの体制を維持するためには不断の努力を要する。
権力を得たものはそれを維持するために不都合なことは隠ぺいするからだ。
(安倍政権以降常態化しているが)
さらには「バラマキで票を実質的に買う」ことも横行する。
そしてもっと重要なことは、この体制を維持するために豊かな中間層が必要だということだ。
ところがアメリカはもとより日本でもこの中間層が崩壊して来ている。
富裕層は権力と結びついてますます豊かになり、中間層からは貧困層への下流化が起きている。
貧困層は根本的な対応策が無されないまま、おこぼれ的なバラマキで満足させられる。
今回の東京都知事選で石丸現象に危険な匂いを感じた。
それは石丸伸二氏のあの「シニカルな笑い」に対してである。
(シニカルとは皮肉を込めて冷笑することだ)
リベラリズムの破壊者になるのではないかという恐れを感じたが、杞憂に終わることを願っている。