1970年代、米国とソ連はお互いに核戦争は止めようと暗黙の合意をした。
その代わりに、アジア、アフリカの周縁国でお互いが陣取り合戦を始めたのだ。
1979年、満を持してソ連はアフガニスタンに侵攻した。
この戦争は、最後にはソ連が撤退したのだが1988年まで続いた。
結局、ここで疲弊したソ連は1991年に消滅するのである。
超大国同士は冷戦はするが、熱い戦争はしない。しかしそのはざまに位置する緩衝国家が熱い戦火にまみえる。
ロシアがウクライナに攻め込んだ図式は、まさにこのパターン。
ロシアのプーチンは、アメリカのバイデン大統領の「参戦はしない」という言葉を信じたようだ。
ここまで踏み込んだら引き返すに返せない。おそらく泥沼の数年が続くだろう。(考えたくないが)
ここで注意しなければならないのが日本だ。
まさに米国と中国のはざまにいる。
しかも先日アメリカのCSIS(戦略問題研究所)が発表した中国による台湾侵攻シナリオでは、日本の参戦は欠かせないとなっている。
日本政府もマスコミも当たり前のようにこのことを受け止めているが、おかしいと思わなければならない。
どうしたらこのような事態を防げるか、そんな議論がぜんぜん起こらない。
台湾有事は日本有事だと気楽に言う政治家がいるが、先の大戦の深刻な反省は何処へ行ったのか。
いまだに「専守防衛」を非戦とか意気地ないとか捉えている人がいるが、これは大きな間違い。
一旦攻め込まれたら徹底して日本の国土を守るという覚悟を有しているのだ。
研ぎ澄ました「専守防衛」を極めずして竹やりレベル(少し言葉が過ぎたが)で敵基地を攻撃しても大した効果はなかろう。