デーモン・アルバーン率いるイギリスのロックバンド、Blurの4thアルバム。
タイトル「グレイトエスケープ(偉大なる逃避行)」の名の通り、現実逃避や何事もなく暮らしている人々の隠蔽された狂気を歌っています。
また、前作「パークライフ」の成功のプレッシャーからのグレイトエスケープという意味も込められています。
サウンドの方はシニカルな歌詞のややひねくれたブリットポップといった感じで、Blurの作品の中では本作が一番とっつきやすくなっています。
【トラックリスト】
1. Stereotypes
2. Country House
3. Best Days
4. Charmless Man
5. Fade Away
6. Top Man
7. The Universal
8. Mr. Robinson's Quango
9. He Thought of Cars
10. It Could Be You
11. Ernold Same
12. Globe Alone
13. Dan Abnormal
14. Entertain Me
15. Yuko and Hiro
郊外に住んでホームビデオを撮るといった典型像を皮肉った曲
「Stereotypes」
都会で成功し田舎に移り住んだ男性の空虚な気持ちを歌った曲
「Country House」
テクノポップ調の曲。歌詞はなんとなく結婚して、なんとなく歳を取っていく夫婦の虚無感を歌っています。
「Fade Away」
金持ちのMr.ロビンソンを皮肉ったファンキーな曲
「Mr. Robinson's Quango」
宝くじの当選を夢見る男を歌った曲。
「It Could Be You」
日産で働く日本人がテーマの曲。一部日本語で歌われています。
「Yuko and Hiro」
総評として秀逸なメロディーと英国らしいユーモアが揃ったブリットポップのお手本と呼べる作品です。
Country House(Official Music Video)
【和訳】
(物語はこんなふうに始まる)
都会の住人で成功者
心の中で思った「おっと、俺ってすごい金持ちだ」
この無意味な競争に死ぬまで捕まってしまった
俺はプロの皮肉家、でもこれが本心じゃない
ギリギリまで生きるという代償を払っている
世紀の不安に巻き込まれた
そう、それは彼を食い潰していく
彼はだんだん痩せ細っていく
シンプルな生活を試してみろ
彼は田舎の大きな家に住んでいる
午後の再放送番組を見て、田舎ならではの料理を食べる
田舎であらゆる薬を服用し、分析医の領収書を積み重ねる
ああ、まるで動物農場のよう、田舎は魅力がいっぱいだ
彼は朝から調子バッチリ、まるで別の人生のよう
すべて順風満帆に進んでいる
人生がいつか終わることも分かった
バルザックを読んで、プロザック(抗うつ薬)を飲む
それは驚くくらい穏やかな気持ちにさせてくれるんだ
ああ、これは世紀の治療薬だ
心の弱い人にとっては新たなスタートだ
シンプルな生き方を試してみろ
彼は田舎の大きな家に住んでいる
胸に霧がかかってるんで、田舎で十分な休息が必要なんだ
彼は酒を飲まず、煙草もやらない、笑わない
田舎で薬草風呂に浸かっている
田舎の農場みたいなところにいれば、悪いことなんて何もないさ
田舎での生活
俺を吹き消してくれ
とても悲しいんだ、でもなぜだか分からない
俺を吹き消してくれ
とても悲しいんだ、でもなぜだか分からない
彼は田舎の大きな家に住んでいる
午後の再放送番組を見て、田舎ならではの料理を食べる
田舎であらゆる薬を服用し、分析医の領収書を積み重ねる
ああ、まるで動物農場のよう、田舎は魅力がいっぱいだ
彼は田舎の大きな家に住んでいる
胸に霧がかかってるんで、田舎で十分な休息が必要なんだ
彼は酒を飲まず、煙草もやらない、笑わない
田舎で薬草風呂に浸かっている
田舎の農場みたいなところにいれば、悪いことなんて何もないさ
ララララ
なりたい
何かになりたいんだ
【余談】
歌詞にある「ラットレース(rat race)」とは働いても、働いても、一向に資産が貯まらない状態のことであり、回し車の中を走るネズミに喩えた表現となっています。
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