次の日、自分と車の都合がついたアイアンは、
計画通り21時過ぎに迎えに行くよとメールをよこした。
私は働いていたのだけど、夕方からまた忍ぴょんに会っていた。
もう少し、忍ぴょんとのことついて説明しておく。
忍ぴょんは懐かしの仁と同じ国出身の、わっくわぁーーーーい男の子だ。
ほんで、校外学習で私の国に遊びに来た。
当初は一度会えれば良いねー程度だったのだが
おととい会ったらエライ楽しかったので、
明日帰っちゃう前に会おうぜー!という運びになったのだ。
前にも少し書いたが、私には男友達というものがいなかった。
ていうか、梓のことをそう思っていたけど違ったし。
そんな中で、この10個以上年の離れた忍ぴょんは、唯一ロマンチックが止まっている男なのだ。
ほんで、私は彼と話すのが大好きだった。
(私か彼の精神年齢に問題があるに違いない笑)
「急いで、急いで。乗って!」
会話が盛り上がったせいで、バスに乗り遅れそうになった忍ぴょんは、
あっさりしたハグをして去って行った。
私はといえば、10個以上下の彼に奢ってもらって、
ほんの少しピンクに染まったチークで歩き出した。
見ると、アイアンからメールが来ていた。
『もうすぐつくよ〜。メイサどの辺にいるの?俺どこに行けば良い?』
『あのカフェは?思い出の。』
もちろん、アイアンが私をトイレに連れ込んだあのカフェのことだ。
『ハハハハハ!オッケー、前に停めとく。
トイレに入る準備しといてね(笑)』
入んないわよぉーっだ!と携帯にアッカンベーして、
私は道を急いだ。
暗い住宅街をコツコツ歩いていると、不意にクラクションが鳴った。
「ヘーイ!」
と、窓から見慣れたモジャモジャヒゲと、ハンサムな顔が出てきた。
ブンブン振る手を見ると、コイツは本当にいつも元気だな……と半ば呆れながらも笑える。
「よ、元気!?」
「まぁ、オッケー。あなたは?」
「俺も!今日も綺麗だね!あ、どこ行く?」
「えっ!?ど、どこか決めてよ」
「どこか行きたいとこある?それか、どこかで車停める?」
「なんでよ。あっち走れば?海沿いだし」
「オッケー。俺この辺全然知らないからナビしてよ。どっち行けば良いの?」
「……右。」
りょうかーい、とアイアンはエンジンをかけた。
チラリと横顔を盗み見る。
暗くてよくわからないけど、グレーのパーカーと短パン。
もういい年なんだから、綺麗なシャツくらい着ればいいのに。
ま、この人はそういう感じじゃないよね。
と勝手なことを考えていると、アイアンは話し出した。
「で、今日は何してたの?」
「だから、夕方まで働いて、そのあと友達と会ってたんだってば。」
「いいねいいね。日本の友達?」
「違うわよ。あ!あの男の子よ。某国から来てる友達」
「え?」
「木曜にも会った子。あなたより背が高くてぇー。」
「あぁー!あの、俺にヤキモチ妬かせたアイツね!」
そうよ、と答えながら、運転する横顔を見た。
ムカついてるように見えないけど、笑ってもない。
「あなたより背が高くて、脂肪もついてなくて……」
「はいはいはいはい」
「あと若いのよねー」
「いくつ?」
「20歳」
「20歳?ふーーーーん。」
ちょっと考えたあと、
まぁハタチなら俺より背が高くて当たり前なんじゃない?ハハ、とまた負けず嫌いを垣間見せた。
「あとぉ、すっごく紳士だしぃ」
「俺、紳士だよ」
「はぁー?!あなたが?!」
「勿論!なんで?」
「あーそう、なるほどね。
この国では紳士はフツー女の子をトイレに連れ込むのね。」
「ちょ、それは違うでしょ!も…」
「はーそれは知らなんだ。
これがカルチャーギャップなのねー。勉強になるわー」
「だからさ、あれは本当例外で!おい聞けよ」
ガン無視してペラペラとバカにする私に、
アイアンは「ほんとに可愛くねーな」と呟いた。
けれど、納得納得!と私が言うと、彼も思わず笑った。
続きます!
計画通り21時過ぎに迎えに行くよとメールをよこした。
私は働いていたのだけど、夕方からまた忍ぴょんに会っていた。
もう少し、忍ぴょんとのことついて説明しておく。
忍ぴょんは懐かしの仁と同じ国出身の、わっくわぁーーーーい男の子だ。
ほんで、校外学習で私の国に遊びに来た。
当初は一度会えれば良いねー程度だったのだが
おととい会ったらエライ楽しかったので、
明日帰っちゃう前に会おうぜー!という運びになったのだ。
前にも少し書いたが、私には男友達というものがいなかった。
ていうか、梓のことをそう思っていたけど違ったし。
そんな中で、この10個以上年の離れた忍ぴょんは、唯一ロマンチックが止まっている男なのだ。
ほんで、私は彼と話すのが大好きだった。
(私か彼の精神年齢に問題があるに違いない笑)
「急いで、急いで。乗って!」
会話が盛り上がったせいで、バスに乗り遅れそうになった忍ぴょんは、
あっさりしたハグをして去って行った。
私はといえば、10個以上下の彼に奢ってもらって、
ほんの少しピンクに染まったチークで歩き出した。
見ると、アイアンからメールが来ていた。
『もうすぐつくよ〜。メイサどの辺にいるの?俺どこに行けば良い?』
『あのカフェは?思い出の。』
もちろん、アイアンが私をトイレに連れ込んだあのカフェのことだ。
『ハハハハハ!オッケー、前に停めとく。
トイレに入る準備しといてね(笑)』
入んないわよぉーっだ!と携帯にアッカンベーして、
私は道を急いだ。
暗い住宅街をコツコツ歩いていると、不意にクラクションが鳴った。
「ヘーイ!」
と、窓から見慣れたモジャモジャヒゲと、ハンサムな顔が出てきた。
ブンブン振る手を見ると、コイツは本当にいつも元気だな……と半ば呆れながらも笑える。
「よ、元気!?」
「まぁ、オッケー。あなたは?」
「俺も!今日も綺麗だね!あ、どこ行く?」
「えっ!?ど、どこか決めてよ」
「どこか行きたいとこある?それか、どこかで車停める?」
「なんでよ。あっち走れば?海沿いだし」
「オッケー。俺この辺全然知らないからナビしてよ。どっち行けば良いの?」
「……右。」
りょうかーい、とアイアンはエンジンをかけた。
チラリと横顔を盗み見る。
暗くてよくわからないけど、グレーのパーカーと短パン。
もういい年なんだから、綺麗なシャツくらい着ればいいのに。
ま、この人はそういう感じじゃないよね。
と勝手なことを考えていると、アイアンは話し出した。
「で、今日は何してたの?」
「だから、夕方まで働いて、そのあと友達と会ってたんだってば。」
「いいねいいね。日本の友達?」
「違うわよ。あ!あの男の子よ。某国から来てる友達」
「え?」
「木曜にも会った子。あなたより背が高くてぇー。」
「あぁー!あの、俺にヤキモチ妬かせたアイツね!」
そうよ、と答えながら、運転する横顔を見た。
ムカついてるように見えないけど、笑ってもない。
「あなたより背が高くて、脂肪もついてなくて……」
「はいはいはいはい」
「あと若いのよねー」
「いくつ?」
「20歳」
「20歳?ふーーーーん。」
ちょっと考えたあと、
まぁハタチなら俺より背が高くて当たり前なんじゃない?ハハ、とまた負けず嫌いを垣間見せた。
「あとぉ、すっごく紳士だしぃ」
「俺、紳士だよ」
「はぁー?!あなたが?!」
「勿論!なんで?」
「あーそう、なるほどね。
この国では紳士はフツー女の子をトイレに連れ込むのね。」
「ちょ、それは違うでしょ!も…」
「はーそれは知らなんだ。
これがカルチャーギャップなのねー。勉強になるわー」
「だからさ、あれは本当例外で!おい聞けよ」
ガン無視してペラペラとバカにする私に、
アイアンは「ほんとに可愛くねーな」と呟いた。
けれど、納得納得!と私が言うと、彼も思わず笑った。
続きます!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます