我が家のアイドル ウアン君。
縄張りのパトロールを欠かさず、近所の猫と縄張り争いで喧嘩しては顔を傷だらけにして、朝は傷薬を塗ってやるのが日課。
縄張りの拡張に熱心で遠くへ行き過ぎて帰れなくなった事もあり…、
日曜の夜も帰らず、月曜の朝食にも姿を見せず、「ウア〜ン、ウア〜ン」と呼んで農園の奥まで行くが全く反応が無くて妻と心配していると、暗くなりかけた頃に作業場に居る妻の所へ帰ってきた。
妻の顔を見て「アゥ」と鳴くと伏せて動かなくなったそうで、リヤカーへ乗せて自宅へ連れ帰った。
私が抱き降ろして水とキャットフードをやるが、少し匂いを嗅いで顔を背ける。
妻が冷蔵庫から茹でた鶏を持ってきたが全く興味を示さない。
この日はすごく暑かったので熱射病を疑い、経口補水液を作って注射器で少しずつ口へ注いでやる。
1時間おきに2〜3ccずつ飲ませていると20時頃に起き上がって自分で水を飲みに行ったが、ペロペロ飲んだ後に予想通り全部嘔吐。
これは点滴しないと無理だと思ったが、既に夜。開いている獣医は無い。
ムアン(県央)で開業されている獣医さんの自宅が近くの集落へあるので、ウアンを連れて行ってみるが留守で車も無い。
ドアへ携帯の電話番号があるので何度か掛けたが応答されない。
22時頃まで待っていると獣医と親戚な隣人が帰られたので聞くと、最近はムアンへ住んで偶にしか帰られないそうだ。
ウアンと自宅へ帰ると、自分で水を飲めないようにゲージから水の容器を出し、経口補水液を1時間毎に数cc飲ませる。
ウアンは私が呼んでも反応せず、ぐったりして動かない。
12時を過ぎたので私も休んだ。
翌火曜朝は気になって6時過ぎに目が覚め、ウアンのゲージを見に行くと空。もう動けないと思って蓋をロックしなかったので出たのだ。
自宅の周りを探すが、どこにも居ない。
朝食後に妻が農園を探すと、自宅から100m先で動けなくなっているのを見つけた。
呼吸はしているが意識は無い様子。
経口補水液を口へ注ぐが、もう反応が無く飲み込めない。
妻は「病院へ連れて行こう」と言うが、「もう助からない」と答える私。
ウアンが好きなのは首の後ろを掻かれるのと腹を撫でられるのなので、やってやる。
腹を撫でていると、いつもは気付かない子供の握り拳大に腫れた臓器が手へ当たるのに気付く。何だろこれ?
もしかして膀胱?とウアンのペニスを確認すると、排尿口が乾いて黒く固まり、排尿してない様子。
水で濡らして黒い固まりを取り除きペニスの皮を少しむくと、赤いペニス先から5ミリほど白いクリーム状のものが出てきた。
白いクリーム状のを指へ取って広げると乾き始めてザラザラしてくる。
尿道が詰まって排尿出来てないのにようやく気付いたが、既に苦しそうに肩で大きく息をしており、しばらくして亡くなった。
前日に帰宅した時に経口補水液で一時的に改善した様に見えたのが失敗。
様子を見ず、そのまま直ぐに病院へ連れて行けば助かったかも知れないと思うと残念だ。
動物嫌いな妻が初めて可愛がった猫だった。作業をする妻の横で寝るのが好きだった。
私が農場を歩くと、通路で転がって邪魔をし、腹を出して撫でられるのを待ってた。
2歳になったと喜んだばかりだったのに…。
ご同情申し上げます。
色々有ってもその時に出来なかったことは、
過ぎたことで致し方が無い。
十分縁で遣ったのだろうと思います。
経験として何かの機会に有効になるかも知れません。
猫に限らず、人にも自分にも色々有りますが…
たまには、「亡くなった〇の年を数えて」思いだすことはできる。
ウアンは猫なので話せませんが自己主張ができるやつで、望み通りに抱いたりリヤカーへ乗せて歩いたり、人の子の様に一緒に楽しい時を過ごしました。
話せれば「パパ、お腹が痛い。おしっこが出ない。」と言ったでしょうに、早く気付いてやれなかった悔しさがあり、可哀想な事をしたと思います。
役割があるので屋外飼いで、どの猫も寿命が数年と厳しい環境ですが、 できるだけ幸せな一生を過ごせる様に努力したいと思います。