先月、知人の研究者Oさんから私・本間正幸の主宰するメトロポリス漫画総合研究所宛てに連絡があり、昭和の少年雑誌の付録など段ボール二箱分、約200冊の買取り依頼がありました。
Oさんと私のメールでのやりとりの中に、映画と漫画史研究家であり、【漫画の匠】店長、そして何よりもコレクターである私・本間正幸の考え方や姿勢が如実に現れているようなので、公開してみます。(笑)
私が何故、旅行業から文筆業となり漫画古書専門店や出版業界内で少しは名を知られる漫画オタクやマニアから、コレクターへと変貌を遂げることが出来たのか、皆さんにも御理解頂けるかも知れません。
〔先ずはOさんから私へメールの返信〕
O様。
> 来週、20日(木)夜まで、緊急かつ重大な用事などが続くため、それ以降の評価、連絡とさせていただけたら幸いです。
了解しました。
最初、某漫画コレクターに声をかけていました。
でも、返事がないので、あきらめて本間さんにメールしたのですが、その某漫画コレクターから先ほど連絡がありました。
タイミング悪すぎ・・・。あちゃちゃです。
その某漫画コレクターは、主旨に賛同してくれて、まだ引き取り手がないのなら、無名の漫画家であっても、一冊、150円から300円で引き取ってくれるという話です。
天秤にかけるつもりもないし、先方の買取金額も上乗せして書いているわけでなくて、正直に書いています。
ただ、本間さんが一冊、100円とのことだったから、明らかに某漫画コレクターに買い取ってもらったほうが、こちらとしては徳です。2万円~が6万円~になる可能性があるのだから。
ただ、本間さんにもう送っちゃったので、弱りました。
とにかく、ビニール袋に入れて梱包しているので、外から見てもらって、その某漫画コレクター以上は出せないと思ったら、送り返してもらうのが良いかもしれません。
※中抜きはなし。それをされると某漫画コレクターに申し訳ないからね。
よろしくお願いします。
O
----------------------------------------------------
〔私からOさんへ〕
了解です。
とりあえず、他の漫画コレクター達に較べて資金面が潤沢とは言えない私にとっては、物を見てからしか価値付けの判断が出来ないと言うのが正直な感想ですしスタンスになります。
また、その本たち自体が一番私の元へ来たがっていたから、このような現象を神様は起こしたとも思われますし、そのコレクターの漫画に対する愛情なのでしょう。
私は、2万という評価額は出しておらず、目安として古本屋さんにおける最低取引価格を申し上げたまで。
私の評価額とは限りませんのでまずはご安心を。(笑)
また、以前申し上げた通り、世間での評価が高かったり、ダブリの物については、資金面で潤沢なその人に値付けしてもらって、その人に引き取ってもらった方が良いのかも知れませんね。
21日(金)夜9時までには、最初の評価、私の判断を伝えます。
それでは、また。
追伸
昨日の午後8時30分に荷物が到着したので、午後11時過ぎから今まで中身を確認して見ました。(涙)
まずは、Oさんのおっしゃっていた話との相違点として、付録だけではなかったこと。
表紙などの欠落本や状態が予想より酷いものがかなりあることなど、ビニール上からだけでは判断不能な事柄が多いため、取急ぎ開封し中身を確認させてもらいました。
正直な感想から言えば、微妙なところです。(涙)
ポスター類や、単行本など欲しい物もありますが、大半は手元に保存しておきたい物の状態が悪く、古本屋さんなどで安値で買い取られる物の状態が並~並以下といった感じでしょうか?
私が必要とする物の状態は、悪くとも貴重なものなので、正直な話、私の手元に保管しておきたいと思います。
査定額は、とりあえず袋を開けてしまったので、大半を処分し資金調達することにより3万円までは保証(涙)しますが、今のところ6万円まで出すのは難しいと思われます。
専門店はもちろん、別の漫画コレクターでも難しいのではないかと私は思いますが、物の価値の判断はその人次第ですから、何とも言えません。
この保存状態では、まんだらけでの高い評価は、得られないでしょう。
神田にある中野書店、長島書店あたりが高い評価をする可能性がある物でしょう。
もうひとりの漫画コレクターの収集対象が誰なのか?状態が悪い物でも評価するのか?によって査定額は異なってくると思われます。
私は、『漫画少年』系の作家さん、山根赤鬼、山根青鬼、永田竹丸、カゴ直利、田中正雄、ちばてつや、寺内鉄雄、堀江卓、東浦美津夫先生など親交のある作家さんと、研究対象である山川惣治、井上一雄、倉金章介、武内つなよし、塩田英二郎、原一司、益子かつみ、滝田ゆう、森安直哉、島田恵三、藤子不二雄、手塚治虫先生の作品あたりを保存対象に考えています。
星城朗二、小山葉子クラスの作家などは、少しは値が付き、ファンもいると思われます。
追記
今回の場合、二段階評価とさせていただきました。
先ずは本の保存状態による評価ランクです。
A、美本
B、並上
C、並
D、並下
E、欠損などのため評価不能
そして、作家別による評価ランク。
『付録』
【特】有名作家及び稀少本など高評価、保存対象クラス作品。
井上一雄作品、状態Eですが稀少本のため1000円の評価額としました。
原一司作品、並下3作品×1000円=3000円。状態Eですが稀少本のため500円×2作品=1000円。合計4000円。
山川惣治作品状態Eですが稀少本のため1000円×2=2000円。
倉金章介作品並下ですが1000円。
手塚治虫作品並下ですが1000円と、並ですが最近の物なので500円合計1500円。
武井武雄作品、稀少本ですが並下なので、1000円。
ふじこふじお作品、稀少本ですが水濡れ並下なので、2000円×2=4000円と、状態並ですが最近の物500円。合計4500円。
【A】私の研究対象の作家さん及び人気作家クラス。
本の状態が並以上の場合、販売評価額1500円クラス、けれども、今回は並下のため、700円そのため、査定額は半額の350円としました。
350円×12冊=4200円。
高野よしてる3作品、武内つなよし2作品と状態Eですが稀少本2作品×1000円=2000円。合計3000円。
東浦美津夫1作品、堀江卓5作品、寺内鉄雄1作品、松下井知夫作品は状態Eですが稀少本なので、500円。
【B】作品により価値あり。
本の状態が並以上の場合、販売評価額800円クラス、けれども、今回は並下のため400円、査定額はその半額200円となります。
200円×21冊=4200円。
山根青鬼4作品、山根赤鬼7作品と状態Eのため100円、ちばてつや2作品、益子かつみ5作品、前谷惟光1作品、山田えいじ1作品、石川球太1作品、森安直哉状態Eだけど稀少本なので、300円。
【C】研究者及びコレクターも少なめ、人により評価が分かれる作家さん。
本の状態が並以上の場合、販売評価額600円クラス、けれども、今回は並下のため、300円査定額はその半額の150円としました。
150円×58冊=8700円。
大友朗12と状態Eのため100円×1、牧かずま3、カゴ直利7、はやみりいち1、夢野凡天8、太田二郎1と状態Eのため100円×1、下山長平1、田中正雄6、矢野ひろし3、平川やすし1、古沢日出夫1、湯川久雄2、金田光二1、山根一二三2と状態Eのため100円1、大野きよし3、貝塚ひろし3、川田漫一1、東田健二1、まんが笑団1
【D】人気のない作家さんたち。残念ながら私の研究対象外でもあるので、予算の都合により、処分対象となっております。
本の状態が並以上の場合、販売評価額400円、けれども、今回は状態が並下のため200円、査定額はその半額100円としました。
100円×79冊=7900円。
上記以外の作家さんとその作品群。
他、状態Eだけど稀少価値を評価して
『漫画少年』1000円×3=3000円
『漫画教室』切り抜き150円×12=1800円
『ゴジラ』1000円
『単行本』
【特】島田惠三1250円。
塩田英二郎1250円。
【A】
東浦美津夫状態Eだけど稀少本なので1000円。星城夢二750円。カバー無し350円。小山葉子750円。
【B】
滝田ひろし350円、大田加英二350円、芳賀たかし350円
【C】
三木一楽250円、遠藤まさお250円、長崎抜天200円、中野正治250円
【D】
うがいまもる4作品と状態のため評価不能一冊、西鉄平、加藤たけし、菅大作、東村登、岩谷修状態Eのため評価不能、秋玲二状態Eのため評価不能、竹田しんぺい状態Eのため評価不能、おだしょうじ、マンガ桃太郎。
【E】
岡元三平1作品100円と状態もEのため評価不能、若山昇状態Eのため評価不能、長崎まさる状態Eのため評価不能、不明状態Eのため評価不能三冊。
以上、総額6万円前後の査定額を出して見ました。
Dランク以下の作家さんの作品は、他の人にあたった方が高い評価をするのかも知れません。
それでは、また。
本間正幸
以上のやりとりの後、総額6万円を払い全冊、私が引き取ることになりました。
現在、古書相場は冷え込んでおり、以前の漫画バブルの時代もここ十年で完全に終わりを告げました。
以前は高値で取引されていた絵物語、戦前・戦後の少年雑誌や付録も今では随分安値で市場に出てくるようになったのです。
別冊付録の時代は終わりを告げ、今では虫プロや朝日ソノラマなどの新書版や、少女漫画全般に高値が付くようになっています。
手塚治虫先生や水木しげる先生、楳図かずお先生といったコレクターの多い作家さんの主要作品は次々と復刻されたため、経年劣化により薄汚れたオリジナル単行本より綺麗な復刻本を購入するマニアやオタクが増えているのです。
今回、私が購入した付録は、全て保存状態が悪く、大半が並下以下の物ばかり。
欠損や傷みなど商品としては評価不能な物も多数ありましたが、漫画史にとって、とても貴重な物が多く、驚くべきことに私の蔵書二万冊とほとんどダブリがなかったのです。
これは、【漫画の匠】店長ではなく、【メトロポリス漫画総合研究所】主宰者として評価させていただきました。
何故なら、現在日本における少年雑誌や別冊付録の漫画の保存の仕方に問題提起をしたいからです。
現存する出版社は、原則としてそれぞれ発行した雑誌や付録、単行本など保存していることが建前ですが、一般の研究者に迄公開されておりません。
実際、研究者の立場として、私が正式に出版社の蔵書を確認出来たのは、少年画報社と講談社、小学館のみ。
非公式に秋田書店とJ社。そして三十年前に光文社。
集英社は、戦前・戦後の雑誌などほとんど保存していないとの噂が・・・。
国会図書館への納本制度の建前も、実際はどうなっているのか現状を確認していただけたら、皆さんもきっと驚かれることでしょう。
そのため、研究者が少年雑誌や別冊付録を実際に手に取り、見る機会に恵まれるということはまれなことなのかも知れませんね!
私は、【少年画報大全】監修に際し、少年画報社に保存されていた『冒険活劇文庫』『少年画報』全冊と、現存する別冊付録全てを手に取り、眼を通す幸運に恵まれました。
その際、日本の漫画史研究発展のため、出来る限りの書誌データを残すことにしたのです。
今回、入手した幼年雑誌の漫画付録の書誌データは、貴重なものになるのかも知れませんので、これから何回かに分けて皆さんにも公開させていただきたいと思います。
映画と漫画史研究家
本間正幸
以下概要予告
《単行本》
東京漫画出版社15冊
集英社4冊
鶴書房2冊
他13冊
《付録》
{少年少女雑誌}
少年画報社『少年画報』6冊
光文社『少年』2冊
集英社『おもしろブック』5冊『少年ブック』1冊『少女ブック』1冊『りぼん』1冊
秋田書店『冒険王』3冊
講談社『少年クラブ』62冊『少女クラブ』4冊
学童社『漫画少年』4冊
講談社『ぼくら』11冊
小学館『小学三年生』~『小学六年生』14冊
芳文社『痛快ブック』1冊
新生閣『漫画と読物』1冊
{幼年雑誌}
講談社『幼年クラブ』28冊
集英社『幼年ブック』4冊『日の丸』35冊
講談社『たのしい一年生』~『たのしい六年生』16冊
Oさんと私のメールでのやりとりの中に、映画と漫画史研究家であり、【漫画の匠】店長、そして何よりもコレクターである私・本間正幸の考え方や姿勢が如実に現れているようなので、公開してみます。(笑)
私が何故、旅行業から文筆業となり漫画古書専門店や出版業界内で少しは名を知られる漫画オタクやマニアから、コレクターへと変貌を遂げることが出来たのか、皆さんにも御理解頂けるかも知れません。
〔先ずはOさんから私へメールの返信〕
O様。
> 来週、20日(木)夜まで、緊急かつ重大な用事などが続くため、それ以降の評価、連絡とさせていただけたら幸いです。
了解しました。
最初、某漫画コレクターに声をかけていました。
でも、返事がないので、あきらめて本間さんにメールしたのですが、その某漫画コレクターから先ほど連絡がありました。
タイミング悪すぎ・・・。あちゃちゃです。
その某漫画コレクターは、主旨に賛同してくれて、まだ引き取り手がないのなら、無名の漫画家であっても、一冊、150円から300円で引き取ってくれるという話です。
天秤にかけるつもりもないし、先方の買取金額も上乗せして書いているわけでなくて、正直に書いています。
ただ、本間さんが一冊、100円とのことだったから、明らかに某漫画コレクターに買い取ってもらったほうが、こちらとしては徳です。2万円~が6万円~になる可能性があるのだから。
ただ、本間さんにもう送っちゃったので、弱りました。
とにかく、ビニール袋に入れて梱包しているので、外から見てもらって、その某漫画コレクター以上は出せないと思ったら、送り返してもらうのが良いかもしれません。
※中抜きはなし。それをされると某漫画コレクターに申し訳ないからね。
よろしくお願いします。
O
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〔私からOさんへ〕
了解です。
とりあえず、他の漫画コレクター達に較べて資金面が潤沢とは言えない私にとっては、物を見てからしか価値付けの判断が出来ないと言うのが正直な感想ですしスタンスになります。
また、その本たち自体が一番私の元へ来たがっていたから、このような現象を神様は起こしたとも思われますし、そのコレクターの漫画に対する愛情なのでしょう。
私は、2万という評価額は出しておらず、目安として古本屋さんにおける最低取引価格を申し上げたまで。
私の評価額とは限りませんのでまずはご安心を。(笑)
また、以前申し上げた通り、世間での評価が高かったり、ダブリの物については、資金面で潤沢なその人に値付けしてもらって、その人に引き取ってもらった方が良いのかも知れませんね。
21日(金)夜9時までには、最初の評価、私の判断を伝えます。
それでは、また。
追伸
昨日の午後8時30分に荷物が到着したので、午後11時過ぎから今まで中身を確認して見ました。(涙)
まずは、Oさんのおっしゃっていた話との相違点として、付録だけではなかったこと。
表紙などの欠落本や状態が予想より酷いものがかなりあることなど、ビニール上からだけでは判断不能な事柄が多いため、取急ぎ開封し中身を確認させてもらいました。
正直な感想から言えば、微妙なところです。(涙)
ポスター類や、単行本など欲しい物もありますが、大半は手元に保存しておきたい物の状態が悪く、古本屋さんなどで安値で買い取られる物の状態が並~並以下といった感じでしょうか?
私が必要とする物の状態は、悪くとも貴重なものなので、正直な話、私の手元に保管しておきたいと思います。
査定額は、とりあえず袋を開けてしまったので、大半を処分し資金調達することにより3万円までは保証(涙)しますが、今のところ6万円まで出すのは難しいと思われます。
専門店はもちろん、別の漫画コレクターでも難しいのではないかと私は思いますが、物の価値の判断はその人次第ですから、何とも言えません。
この保存状態では、まんだらけでの高い評価は、得られないでしょう。
神田にある中野書店、長島書店あたりが高い評価をする可能性がある物でしょう。
もうひとりの漫画コレクターの収集対象が誰なのか?状態が悪い物でも評価するのか?によって査定額は異なってくると思われます。
私は、『漫画少年』系の作家さん、山根赤鬼、山根青鬼、永田竹丸、カゴ直利、田中正雄、ちばてつや、寺内鉄雄、堀江卓、東浦美津夫先生など親交のある作家さんと、研究対象である山川惣治、井上一雄、倉金章介、武内つなよし、塩田英二郎、原一司、益子かつみ、滝田ゆう、森安直哉、島田恵三、藤子不二雄、手塚治虫先生の作品あたりを保存対象に考えています。
星城朗二、小山葉子クラスの作家などは、少しは値が付き、ファンもいると思われます。
追記
今回の場合、二段階評価とさせていただきました。
先ずは本の保存状態による評価ランクです。
A、美本
B、並上
C、並
D、並下
E、欠損などのため評価不能
そして、作家別による評価ランク。
『付録』
【特】有名作家及び稀少本など高評価、保存対象クラス作品。
井上一雄作品、状態Eですが稀少本のため1000円の評価額としました。
原一司作品、並下3作品×1000円=3000円。状態Eですが稀少本のため500円×2作品=1000円。合計4000円。
山川惣治作品状態Eですが稀少本のため1000円×2=2000円。
倉金章介作品並下ですが1000円。
手塚治虫作品並下ですが1000円と、並ですが最近の物なので500円合計1500円。
武井武雄作品、稀少本ですが並下なので、1000円。
ふじこふじお作品、稀少本ですが水濡れ並下なので、2000円×2=4000円と、状態並ですが最近の物500円。合計4500円。
【A】私の研究対象の作家さん及び人気作家クラス。
本の状態が並以上の場合、販売評価額1500円クラス、けれども、今回は並下のため、700円そのため、査定額は半額の350円としました。
350円×12冊=4200円。
高野よしてる3作品、武内つなよし2作品と状態Eですが稀少本2作品×1000円=2000円。合計3000円。
東浦美津夫1作品、堀江卓5作品、寺内鉄雄1作品、松下井知夫作品は状態Eですが稀少本なので、500円。
【B】作品により価値あり。
本の状態が並以上の場合、販売評価額800円クラス、けれども、今回は並下のため400円、査定額はその半額200円となります。
200円×21冊=4200円。
山根青鬼4作品、山根赤鬼7作品と状態Eのため100円、ちばてつや2作品、益子かつみ5作品、前谷惟光1作品、山田えいじ1作品、石川球太1作品、森安直哉状態Eだけど稀少本なので、300円。
【C】研究者及びコレクターも少なめ、人により評価が分かれる作家さん。
本の状態が並以上の場合、販売評価額600円クラス、けれども、今回は並下のため、300円査定額はその半額の150円としました。
150円×58冊=8700円。
大友朗12と状態Eのため100円×1、牧かずま3、カゴ直利7、はやみりいち1、夢野凡天8、太田二郎1と状態Eのため100円×1、下山長平1、田中正雄6、矢野ひろし3、平川やすし1、古沢日出夫1、湯川久雄2、金田光二1、山根一二三2と状態Eのため100円1、大野きよし3、貝塚ひろし3、川田漫一1、東田健二1、まんが笑団1
【D】人気のない作家さんたち。残念ながら私の研究対象外でもあるので、予算の都合により、処分対象となっております。
本の状態が並以上の場合、販売評価額400円、けれども、今回は状態が並下のため200円、査定額はその半額100円としました。
100円×79冊=7900円。
上記以外の作家さんとその作品群。
他、状態Eだけど稀少価値を評価して
『漫画少年』1000円×3=3000円
『漫画教室』切り抜き150円×12=1800円
『ゴジラ』1000円
『単行本』
【特】島田惠三1250円。
塩田英二郎1250円。
【A】
東浦美津夫状態Eだけど稀少本なので1000円。星城夢二750円。カバー無し350円。小山葉子750円。
【B】
滝田ひろし350円、大田加英二350円、芳賀たかし350円
【C】
三木一楽250円、遠藤まさお250円、長崎抜天200円、中野正治250円
【D】
うがいまもる4作品と状態のため評価不能一冊、西鉄平、加藤たけし、菅大作、東村登、岩谷修状態Eのため評価不能、秋玲二状態Eのため評価不能、竹田しんぺい状態Eのため評価不能、おだしょうじ、マンガ桃太郎。
【E】
岡元三平1作品100円と状態もEのため評価不能、若山昇状態Eのため評価不能、長崎まさる状態Eのため評価不能、不明状態Eのため評価不能三冊。
以上、総額6万円前後の査定額を出して見ました。
Dランク以下の作家さんの作品は、他の人にあたった方が高い評価をするのかも知れません。
それでは、また。
本間正幸
以上のやりとりの後、総額6万円を払い全冊、私が引き取ることになりました。
現在、古書相場は冷え込んでおり、以前の漫画バブルの時代もここ十年で完全に終わりを告げました。
以前は高値で取引されていた絵物語、戦前・戦後の少年雑誌や付録も今では随分安値で市場に出てくるようになったのです。
別冊付録の時代は終わりを告げ、今では虫プロや朝日ソノラマなどの新書版や、少女漫画全般に高値が付くようになっています。
手塚治虫先生や水木しげる先生、楳図かずお先生といったコレクターの多い作家さんの主要作品は次々と復刻されたため、経年劣化により薄汚れたオリジナル単行本より綺麗な復刻本を購入するマニアやオタクが増えているのです。
今回、私が購入した付録は、全て保存状態が悪く、大半が並下以下の物ばかり。
欠損や傷みなど商品としては評価不能な物も多数ありましたが、漫画史にとって、とても貴重な物が多く、驚くべきことに私の蔵書二万冊とほとんどダブリがなかったのです。
これは、【漫画の匠】店長ではなく、【メトロポリス漫画総合研究所】主宰者として評価させていただきました。
何故なら、現在日本における少年雑誌や別冊付録の漫画の保存の仕方に問題提起をしたいからです。
現存する出版社は、原則としてそれぞれ発行した雑誌や付録、単行本など保存していることが建前ですが、一般の研究者に迄公開されておりません。
実際、研究者の立場として、私が正式に出版社の蔵書を確認出来たのは、少年画報社と講談社、小学館のみ。
非公式に秋田書店とJ社。そして三十年前に光文社。
集英社は、戦前・戦後の雑誌などほとんど保存していないとの噂が・・・。
国会図書館への納本制度の建前も、実際はどうなっているのか現状を確認していただけたら、皆さんもきっと驚かれることでしょう。
そのため、研究者が少年雑誌や別冊付録を実際に手に取り、見る機会に恵まれるということはまれなことなのかも知れませんね!
私は、【少年画報大全】監修に際し、少年画報社に保存されていた『冒険活劇文庫』『少年画報』全冊と、現存する別冊付録全てを手に取り、眼を通す幸運に恵まれました。
その際、日本の漫画史研究発展のため、出来る限りの書誌データを残すことにしたのです。
今回、入手した幼年雑誌の漫画付録の書誌データは、貴重なものになるのかも知れませんので、これから何回かに分けて皆さんにも公開させていただきたいと思います。
映画と漫画史研究家
本間正幸
以下概要予告
《単行本》
東京漫画出版社15冊
集英社4冊
鶴書房2冊
他13冊
《付録》
{少年少女雑誌}
少年画報社『少年画報』6冊
光文社『少年』2冊
集英社『おもしろブック』5冊『少年ブック』1冊『少女ブック』1冊『りぼん』1冊
秋田書店『冒険王』3冊
講談社『少年クラブ』62冊『少女クラブ』4冊
学童社『漫画少年』4冊
講談社『ぼくら』11冊
小学館『小学三年生』~『小学六年生』14冊
芳文社『痛快ブック』1冊
新生閣『漫画と読物』1冊
{幼年雑誌}
講談社『幼年クラブ』28冊
集英社『幼年ブック』4冊『日の丸』35冊
講談社『たのしい一年生』~『たのしい六年生』16冊