こんにちは!
「東北偉人物語」の『この道を行く-版画家・棟方志功』を書いた田沢五月です。
私が初めて棟方志功の作品に出会ったのは、ずいぶん昔……学生時代に初めて一人旅に出たときのことでした。倉敷の大原美術館で、何とも不思議な版画をみて、その世界に惹き込まれたのです。そして作者の志功が同じ東北の青森県出身と知って二度驚いたものでした。
あれから半世紀近くも経って、志功の物語を書かせていただけたことを嬉しく思っています。
子どもの皆さんは、偉人と言われる人たちが自分と同じ年頃のときはどんな暮らしをしていたのだろうと興味を持つはずです。この「東北偉人物語」の六つのお話には、偉人たちの子どもの頃のエピソードがたっぷり書かれています。
恵まれた環境で育った人だけではないようです。家が貧しかったり、体に障害があったり……。
志功もそうです。その日のご飯に困ることもあり、遠足にもいけませんでした。その上、視力がとても弱くて、絵を描く姿をバカにされることもありました。
不運なようにみえますが、実は、素晴らしく大きなものに恵まれていました。才能もそうですが、もう一つは、親身になって応援してくれる人たちがいたことです。
4回も帝展に落選し、もう「だめだ」と挫けそうになっても粘り強く頑張り抜けたのは、自分を応援してくれる人たちを裏切りたくないという気持ちの強さだったと思います。
私が今回六つの偉人物語を読んで感じたことは、高齢になった今、微力でも誰かを応援できる人間になれたらいいな~ということです。
皆さんは、どんなことを感じてくれるでしょう。
ぜひ、読んでくださいね。
『東北偉人物語』で新渡戸稲造のものがたりを書きました。
さて、旧五千円札の肖像にもなった人物ですが、何をした人か
こたえられますか?
じつは、たくさんのことをやっているので、一言では語れないと言われています。
稲造のことを、政治家 後藤新平 はこう表現しています。
「稲造なんか 西洋のご婦人を奥さんにして ハイカラぶっているけどねぇ、
なぁに、中身は洋服を着たサムライだよ」
そこで、タイトルを『洋服のサムライ』としました。
調べていた資料の一冊、
新渡戸の『幼き日の思い出』のあとがきを、メリー夫人が
書いていました。
夫人は稲造が育った環境を紹介するために、江戸時代の新渡戸家のことを
詳しく書いていました。アメリカ生まれの方が、こんなに日本の江戸時代を
書けるのかと、ビックリ。
ただ者ではありません!
そこで、メリー夫人の目を通して、稲造のことを語ることにしました。
がんばりやの稲造も、夫人には弱音をはいたり、グチをこぼしたりしていたと
思います。
で、稲造は何をした人かって?
えぇと、大学や高校の先生で、『武士道』『農業本論』みたいな本をいっぱい
書いて、台湾の土壌に適した作物を見つけて、世界平和のための国際連盟の
事務次官もやって……
あぁ、やっぱ一言では語れない。無理!!
ぜひ『東北偉人物語』、手に取ってくださいませ。 (岩崎まさえ)

こんにちは。みちのく童話会スタッフ井嶋敦子です。
『東北6つの物語』6冊目『東北偉人物語』で、山形県の偉人・土門拳を書かせていただきました。



こんにちは。みちのく童話会スタッフおおぎやなぎちかです。
『東北6つの物語』の6冊目『東北偉人物語』が発売になりました。
東北の偉人といえば、だれを思い浮かべるでしょう。宮沢賢治? 大谷翔平? どっちも岩手だ・・。では、秋田は? 私が書いたのは、秋田県にかほ市出身の探検家白瀬矗(のぶ)です。
白瀬矗は、日本人で初めて南極探検をした探検家です。南極観測船は「しらせ」でしょう? 直接人名を由来とすることはできない決まりなのだそうで、地名からとってますが、その地名が白瀬矗を由来としてつけられたものなのです。
世界発の南極点を踏破したのは、ノルウェーのアムンセン。そして、アムンセンに遅れて南極点に到達したものの、無事に帰ることができなかったのがスコット隊です。白瀬隊は、この二つの隊と同時期に南極を目指していたのです。秋田県にかほ市には、立派な記念館もあり、取材で行ってきました。
偉人伝といえば、子供時代があってこそ。
白瀬のわんぱくぶり。その後の苦労。南極から帰ってからの苦労。ぜひぜひ、読んでいただきたいです。映画化していただきたい。
シリーズ6冊そろって、壮観です。
東北の方も、東北以外の方も、ぜひお読みください。図書館は特に入れていただきたいと願っております!!
こんにちは。
スタッフの千秋つむぎです。
「東北スイーツ物語」の山形編を担当させていただきました。
山形にはおいしいスイーツがいくつもありますが、
私は「からからせんべい」を元に物語を書きました。
からからせんべいを初めて手にしたのは小学生くらいだったかと思いますが、
そのときのことは今でもよく覚えています。
「何が出るんだろう?」とわくわくしながら、
一生懸命せんべいをわっていました。
実は父の車には、私が子どもの頃につけた「こけしのストラップ」が
今だに交通安全のお守りのようにぶらさがっています。
からからせんべいは、一人で中身を見るのはもちろんですが、
数人で一緒に見ると、より楽しい時間を過ごすことができるなと思っています。
お互いに何が出たかを見せ合って。
なので、からからせんべいを通して、新たな友情が育まれる優しい物語が書きたいと思いました。
主人公の花凛は、友達の気持ちを考えすぎて自分の気持ちに正直に行動することが苦手。
そんな花凛が、からからせんべいをパリッとわるように、
少しずつ自分の殻をやぶっていきます。
本作には、山形に実際にある水族館も登場します!
作中にも書いていますが、クラゲの展示は印象的でした。
ぜひ、からからせんべいと一緒に、物語を楽しんでいただけますと幸いです。
スタッフのもえぎ桃です!
この記事を書いているのは1月8日ですが、年末から青森は大雪!
『東北スイーツ物語』で私が書いたお話「りんごの気持ち」と、状況がそっくりです。
「十二月にこんなに降ることはめずらしくて、外は横なぐりの雪で真っ白。雪が道路やブロック塀をおおって、白一色の世界だ」
子どものころの冬は、ずっとこんな感じでした。
朝から晩まで雪が降り続け、歩道は除雪した雪で道路より1メートルも上。
夜中に外を見ると、雪が青白く光って、すごくきれい。
冬の夜空は澄んでいて、星がたくさん見えました。
そういえば、日中はずっと吹雪いてるのに、なぜか夜になると雪がやんで「シーン」とするんです。
雪が音を吸い込んで、本当に静か。
星空の下、青白い雪がどこまも広がる幻想的な世界……でも朝になるとまた吹雪くんですよね〜。
昼に吹雪いて夜に凪ぐ。なにか理由があるんでしょうか?
さて、青森の冬といえばりんご。りんごのスイーツといえばアップルパイ!
青森県弘前市はアップルパイのお店がたくさんあって、ガイドマップも出ています。
https://www.hirosaki-kanko.or.jp/edit.html?id=cat03_food09
「りんごの気持ち」は、アップルパイが上手なてきぱきお母さんと、自立心が芽生え始めた凛子ちゃんの攻防(⁉)です。
りんごの皮むきをきっかけに不満が爆発する凛子ちゃん。
「口うるさいお母さんに負けるな〜!」と凛子ちゃんを応援しながら書きました。
凛子ちゃんの超簡単りんごスイーツ、ぜひ作ってみてくださいね。
いよいよ来月、シリーズの最終巻「東北偉人物語」が発売です!
みなさま、こんにちは。
みちのく童話会メンバーの吉田桃子です。
「東北スイーツ物語」はもう手に取っていただけたでしょうか? 読んでいるとおなかが空いてきそうなスイーツが沢山出てきます。
わたしは福島県の「桃パフェ」を題材に物語を書きました。
作中に福島県にある「まるせい果樹園」様の桃パフェの写真も載っていますが、まさに、このパフェを想像しながら執筆しました!
わたしも「まるせい果樹園」さんには桃を買いに行ったことがあります。
その日は福島県のポケモン「ラッキー」さんも遊びに来ていたこともあってすごい人! 行列! しかも、暑い!
でも、みなさん、とても幸せそうな顔なんです。
きっと桃がおいしいからですね。
さらに、桃はとても栄養がありますから暑い夏を乗りきるための力もくれます。
今は冬ですが、こんななかでも桃の木は、夏、実をつけるためにジッと寒さに耐えています。
わたしも、今年の桃をたのしみにしています。
本物の桃を食べる前にぜひ「東北スイーツ物語」でひとあし先に桃を楽しんでいただけたら嬉しいです。
物語の主人公も「桃」がつく名前の女の子にしました。
自分もそうなので少し照れくさいですが(*´ω`*)
せっかく「桃」のお話ですからね……
スタッフのおしのともこです。
今まで東北物語シリーズでは、挿絵担当でしたが
この東北スイーツ物語では、
初めて物語を書かせていただきました。
「東北スイーツ物語」の中で『宮城県』のスイーツ担当になり、
『宮城県』なら『ずんだもち』でしょ!
さらに『ずんだシェイク』も出てくるお話がいいなあ〜と考えました。
私は関東出身ですが、『ずんだもち』も『ずんだシェイク』も大好き!
枝豆の季節になると手作りするくらい大好物です。
「グリンプロテイン」は、
小学5年生の野球少年マサシが主人公のお話です。
試合でエラーして落ち込むマサシ。
2つ年上のねえちゃんが、練習を付き合ってくれることになったけど
実はねえちゃんには思惑があって……。
主人公のマサシは、
初めてのずんだもち作りに汗だくになりますが、
茹でた枝豆を薄皮まで剥いて、すり鉢でするのは大変な作業です。
フードプロセッサーがあれば楽かもしれませんが、
我が家でもすり鉢で作っています。
自分の手で作るずんだもちの美味しいことと言ったら!
マサシは野球に一生懸命打ち込む少年ですが、
実は私の父は、長年プロ野球チームのスポーツトレーナーでした。
ケガなどで故障した選手のリハビリやマッサージをする仕事です。
子どものときから、家には選手のサインや野球グッズ、
優勝した写真パネルがズラリと並んでいました。
私は残念ながら、大の運動オンチで野球は本当に苦手。
絵を描いたり、本を読んだりするのが好きな女の子でした。
今回、野球のお話を書かせていただいて
ほんの少しだけ親孝行ができた様な気がします。
天国の父も喜んでくれたかな。
こんにちは。みちのく童話会 会員のみどりネコです。
『東北スイーツ物語』では、秋田の物語「バラアイス」を書かせていただきました。
タイトルの「バラアイス」というのは、ババヘラと呼ばれるアイスのこと。
中高年の女性が、アイスをコーンにへらで盛り付けて販売するスタイルからそう呼ばれるようになったそうです。
夏、秋田の道路沿いに立てたパラソルの下で、大きな缶を前に置き、パイプ椅子に座り、頬っかむりのような帽子をかぶっている方がいたら、それはババヘラの売り子さんの可能性が高いと思います。
ババヘラはシャーベットのような口当たりでとてもさっぱりとしています。
そのためか炎天下では急いで食べないとすぐに溶けてしまいます。
そんな美しくも儚いアイスから生まれた物語が「バラアイス」という淡い初恋のお話です。
山育ちの私が、海沿いの町で育った亜美の初恋の話を書くのはなかなか大変なものでした。
そんなとき、みちのく童話会の心臓的存在のOさんが私にこんなものをプレゼントしてくれました。
物語の舞台となったM海岸の砂です。
M海岸の砂は、私にこう語りかけました。
―― 考えるな、感じろ ――
その日から私は、砂のにおいをかいだり、空箱に移した砂にハートマークを書いたり、夏を海を肌で感じ、なんとか作品を書き上げることができました。
優しい甘さのスイーツがいっぱい「東北スイーツ物語」をお楽しみいただけると幸いです。
そして、東北のスイーツを食べに来てくださいね!!
みどりネコ