みちのく童話会
東日本大震災から10年のくぎりの2021年、東北地方の皆様から第1回みちのく童話賞を開催し、第3回まで、たくさんの作品、作家との出会いがありました。
童話賞終了後は、みちのく童話会として、活動を続けています。
こんにちは。みちのく童話会 会員のみどりネコです。
『東北スイーツ物語』では、秋田の物語「バラアイス」を書かせていただきました。
タイトルの「バラアイス」というのは、ババヘラと呼ばれるアイスのこと。
中高年の女性が、アイスをコーンにへらで盛り付けて販売するスタイルからそう呼ばれるようになったそうです。
夏、秋田の道路沿いに立てたパラソルの下で、大きな缶を前に置き、パイプ椅子に座り、頬っかむりのような帽子をかぶっている方がいたら、それはババヘラの売り子さんの可能性が高いと思います。
ババヘラはシャーベットのような口当たりでとてもさっぱりとしています。
そのためか炎天下では急いで食べないとすぐに溶けてしまいます。
そんな美しくも儚いアイスから生まれた物語が「バラアイス」という淡い初恋のお話です。
山育ちの私が、海沿いの町で育った亜美の初恋の話を書くのはなかなか大変なものでした。
そんなとき、みちのく童話会の心臓的存在のOさんが私にこんなものをプレゼントしてくれました。
物語の舞台となったM海岸の砂です。
M海岸の砂は、私にこう語りかけました。
―― 考えるな、感じろ ――
その日から私は、砂のにおいをかいだり、空箱に移した砂にハートマークを書いたり、夏を海を肌で感じ、なんとか作品を書き上げることができました。
優しい甘さのスイーツがいっぱい「東北スイーツ物語」をお楽しみいただけると幸いです。
そして、東北のスイーツを食べに来てくださいね!!
みどりネコ