初心に返って墨で骨描きしました。
墨と胡粉で調子を付けたところ(部分)です。
最近の日本画は没骨法で骨描きが見えない仕上がりが主流ですが、今回は鉄線描を残す(鉤勒法)を考えていますので、かなり神経を集中しての作業でした。
とは言うものの彩色しているうちに、線が消えてしまうかもしれません。
薄塗りは修正が効かないので、失敗がゆるされないのです。
なかなか思う様にはならなくて、
いつの間にか初めの計画から掛け離れてしまいます。
そんなこんなで結局、
いつも実験と試行錯誤の繰り返しです。
初志貫徹と行きたいものです。
没骨法(もっこつほう)は、東洋画の画法のひとつ。輪郭を描かず、初めから画面に形と色を同時にあらわすという技法。輪郭線を残す鉤勒法とともに東洋画の二大技法のひとつ。
主に花鳥画で行われ、中国の徐熙(中国語版)、徐崇嗣などの系統を受ける徐氏体の手法とされる。
日本画では俵屋宗達が、たらし込みの手法とともに使用した。(WIKIより引用)
鉄線描(てっせんびょう)は、鉄の針金のような線という意味で、肥痩のない一定の太さの硬い線です。日本画の線描の中でも代表的な線です。
日本画において「線」は、絵画の骨格であり重要な要素です。西洋画の陰影での表現に対して、日本画では対象の形を示す輪郭線による表現が主体です。毛筆で描く線は、太い、細い、長い、短い、鋭い、柔らかい、早い、遅い、かすれ、滲み、さまざまな表情が生まれます。
鉄線描は、彩色する前の骨描きによく用いられます。使用する筆は、穂先が利く削用筆(さくようふで)などの線描筆が適しています。筆に墨や絵具を含ませて、絵皿の縁で穂先を少ししごいて整えます。かすれがなく、ゆっくり一定の速度、一様な巾で運筆(うんぴつ:筆づかいや筆の運び)します。
古典作品の中で、鉄線描は仏画や肖像画等に多く用いられました。その代表的な遺例に法隆寺金堂の壁画があります。輪郭線を弁柄(べんがら)と思われる紅色で描かれた菩薩は、厳格な中にも優美さが表現されています。
日本画の線描には鉄線描の他に、抑揚のある「肥痩線(ひそうせん)」、細くてしなやかな「遊糸線(ゆうしせん)」、琴の弦のような細くて張りのある「琴弦線(きんげんせん)」などがあります。(武蔵美造形ファイルより引用)