今朝はこの冬一番の寒さだった。といっても京都のまちなかでは雪はなく、路面だけが濡れていた。紅葉もいいが、葉を落として枝だけになった冬枯れの並木道の風情もいい、と思いながら北へ。
比叡山の冠雪。周囲の低い山には雪はなく、比叡山だけが雪を載せて、稜線を際立たせていた。
みるみるうちに雪雲が広がり、今にも降りそうな気配。冷たい空気、歩道に人はまばらで、まさに冬の日。
今朝はこの冬一番の寒さだった。といっても京都のまちなかでは雪はなく、路面だけが濡れていた。紅葉もいいが、葉を落として枝だけになった冬枯れの並木道の風情もいい、と思いながら北へ。
比叡山の冠雪。周囲の低い山には雪はなく、比叡山だけが雪を載せて、稜線を際立たせていた。
みるみるうちに雪雲が広がり、今にも降りそうな気配。冷たい空気、歩道に人はまばらで、まさに冬の日。
JR京都駅から嵯峨野線(山陰線)で2駅、丹波口駅東西に、中央卸売市場がある。HPには「中央市場内に開設された」とあるが、市場内というよりは市場の敷地内のビルに、とした方がわかりやすいかもしれない。西側の最北に新築されたビルの一室が展示場となっている。
(12月12日追記:平成24年11月竣工 京都青果センター seikacenterpamphlet.pdf)
京野菜、京菓子、京料理、京の酒、調理道具、行事・儀礼食などの展示(パネルと食品サンプル)をはじめ、映像による行事食の説明や、だしの試飲コーナー、食に関する書籍コーナー、お土産コーナーなどがある。調理室、試食室もあるが、こちらは有料のイベントに使用されるようだ。
☆冬の京ブランド産品パネル
京のブランド産品については館内にリーフレットがあり、詳しく知ることができる。
☆冬の京野菜サンプル
☆京菓子食品サンプル☆京菓子パネル
展示品のガラスケースは通常のガラスを使用しているため、撮影時は反射してしまう。こういった場所では、映り込みを抑える低反射ガラスを使用してくれたら見やすいのに、と思う。
☆12月の行事食パネルとサンプル
☆12月のおばんざいパネル
以前、京都では「おばんざい」という言葉を使用しなかった、とパネル解説にある。これは、料理展示および解説を監修された杉本家9代目次女である料理研究家HPに詳しい。現在のように使われるようになったのは「ここ半世紀ぐらいのこと」であるらしい。
「江戸時代に生まれた言葉」としているHP(七味屋本舗)も見られる。生まれたかどうか明らかではないが、前出の杉本氏HPによれば、『年中番菜録』(嘉永2年)という料理書に掲載された「番菜」という言葉を、昭和39年以降、随筆家・料理研究家の大村しげ氏らが使用するようになって広まった、とある。
国書データベース(年中番菜録)
「一.番菜は日用の……此の書を……まわりに置き番菜の種本と心得…… 一.此の書大てい四季の序(ついで)……といへどもばんざいはかならずしも……抱(かかわ)るべからず されど殊に時候ならざるものは献立の部にわけて記せり 折ふし到来の品ありたる時……番菜の例に見ならひ……べし 一. さしかかり来客ある時は随分番菜を取りつくろひもてなすにてよろし……精進の番菜は上品になり魚るいの番菜は下品になりやすきものなり 此の心をよくよくわきまふべし…… 一.家々の風儀により……嫁入したる女などは日用番ざいにいたるまでその家の風の料理にしたがひ…… 嘉永貳早春日」(『年中番菜録』附言)
(*翻刻文がないため、自信はないが読んでみた。また、データベースの元本には虫食いも多く文字欠損がある)
「番菜」「番ざい」「ばんざい」の表現が見られる。
引用したものは冒頭の「附言」であるが、このあと「番菜目録」として「四季青物之部」「四季通用之部」「生肴之部」「塩物之部」「干物之部」と続く。
「四季青物之部」では「若菜 水菜 嫁菜 蒲公英……」とあり、タンポポが常のおかずであったことを知る。47種の青物の後に「糟入り納豆汁」という項目が続くのも意外である。
「四季通用之部」においては「干大根、切干大根、干蕪……氷蒟蒻」とあり、私は見たことのない干し大根や干し蕪、氷蒟蒻に興味がわく。19種の後に「薯蕷(とろろ)汁」の項目がある。
「生肴之部」は「蛤、蜆……生海鼠、昼網の類」の25種。昼網とは、検索したところ、当日揚がった魚のことであるらしい。
「塩物之部」では「鯛、鰤、身鯨、皮鯨……鱪」の10種。鯨を塩漬けにしていたとは。
「干物之部」は「鰷、■(=鯼あるいは魚偏に愛)、鰺……鯡(にしん)、目刺の類」の15種。■が鯼ならイシモチ、魚偏に愛ならムツのようだ。
目録からわかるように、番菜に、肉・卵は含まれていない。
子細に読み込むと面白いだろうと思われるが、そこまでの力量はなく、残念。
ただ、ざっと見たところ「ばんさい」「ばんざい」は京都独自のものとは書いていない。今「京のおばんざい」という言葉で通っているのが不思議と言えば不思議である。
☆おばんざいサンプルとレシピ
上の写真のように、サンプルがいくつか並べられ、配布用のレシピも準備されている。
昨日、御所(御苑)を歩いた。
写真上は、中立売駐車場沿いの小道の紅葉。
足を止めたくなるようなモミジの木もある。
清所門(せいしょもん)内側で手荷物検査を受けて、京都御所を建物外から見学する。御苑の松も剪定されていると聞くが、御所の松は特に念入りに剪定されているようだ。「御所透かし」という技法を用いるらしい。
☆御内庭の松(左端)
《京都》御所と離宮の栞 - 京都御所 (宮内庁京都事務所:《京都》御所と離宮の栞 p.4-5 其の十二「御所透かし」)
京都御苑|京都御苑|国民公園|環境省 (環境省HP:【お知らせ】作業を予定しています)
*環境省HPでは、生垣の刈り込みなどの作業期間が記されている。
松のもみあげと剪定 -年末を迎えて- : 京都御苑 | 一般財団法人国民公園協会(国民公園協会HP)
国民公園協会って何だろう、と検索してみる。
事業概要 : 国民公園協会 (国民公園協会:事業概要)
ここには、苑内の管理業務として「国からの委託業務により、国民公園苑内管理運営業務(庭園・植生管理業務、清掃業務、巡視・利用指導業務、温室業務、広報・案内業務等)を行っています」とある。
つまり、御苑の樹木は環境省の管轄で、同省に委託された国民公園協会が管理し、京都御所の塀に囲まれた建物や木々は宮内庁(京都事務所林園課)の管轄ということだ。剪定に差があるのもうなずける。
さらに、御苑内にある京都迎賓館は、内閣府の管轄とのこと。来苑者にわかりづらいだけでなく、三者間で軋轢もあるのではと想像される。
閑話休題、小御所(こごしょ)前の「御池庭(おいけにわ)」は、思いのほか広い池を中心としている。「回遊式庭園」とリーフレットにあるが、見学者は周囲を巡ることはできない。
御学問所(おがくもんじょ)を過ぎ、御常御殿(おつねごてん)の塀の開口部から御内庭(ごないてい)を撮影。
御所でやっと出合えた紅葉。
御内庭は、庭石や橋、燈籠と、多様な樹木が調和したいいお庭である。手をかけた剪定であることがうかがわれ、清々しい。
紫宸殿前の「南庭(だんてい)」は「左近の桜」「右近の橘」以外は白砂が敷き詰められている。「即位の礼などの重要な儀式(リーフレット)」の妨げにならないように、であろう。
清涼殿前は、現在「漢竹」「呉竹」が置かれているほかは、こちらも白砂である(二箇所とも、人が多く撮影していない)。御常御殿ができる前(1590年以前)は天皇の住居であったと同時に「政事・祭事などの重要な儀式もここで行われた(リーフレット)」ため、同様に、植栽されなかったのだろうと想像する。ちなみに、平安京の内裏では清涼殿は紫宸殿の西にあり、『信貴山縁起絵巻』によれば清涼殿東面の南側だけに「河竹(かわたけ)」が植えられていたようだ(小学館 日本古典文学全集20『源氏物語①』図録「清涼殿・後涼殿図」)。
日常に住まう場所に植栽がないのは安らぎに欠ける。造営した秀吉は、そこまで気を配ったのだろうか。
入場時と同じく清所門より出ると、目の前に実のなる大木があった。
栴檀は双葉より芳し、と顔を近づけてみても、葉も実も幹も香りがしない。辞書を引いて納得。栴檀=香木=ビャクダンと思い込んでいたが、違う種類の木であった。
**************************************************************************
せんだん【栴檀】
①センダン科の落葉高木。高さは約8m。葉は羽状複葉で葉柄が長い。初夏、葉のわきに淡紫色の小花を多数つける。実・樹皮は薬用、材は建築・家具となる。わが国をはじめアジア各地に分布。
②ビャクダンの異名。=は双葉より芳し ビャクダンが発芽の頃から早くも香気を放つように、大成する人は幼児のころから人並み外れて優れたところがあるというたとえ。
(集英社『国語辞典』)
**************************************************************************
念のため、ビャクダンについて。武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園HPには、ビャクダンの葉・果実・幹の画像が掲載されている。日本新薬株式会社 山科植物資料館HPにも、画像ほか詳しい解説がある。
京都府立植物園 見ごろの植物情報 平成21年6月26日/京都府ホームページ
御苑の開花・紅葉状況は、次のHPで確認できる。
京都御苑の見どころ : 京都御苑 | 一般財団法人国民公園協会(国民公園協会:お知らせ 苑内開花・紅葉状況)
建物については、またいつか。
所用で一昨日、桂へ。せっかく西京区に来たのだから、中村軒の麦代餅を、と思いついた。
桂離宮のすぐ南側にある中村軒は、1883(明治16)年創業というから、京都の老舗和菓子店の中では、そこまで歴史が古いわけではない。17世紀初頭に八条宮家別邸として造られた「桂別業」が、宮内省所管となったのが明治16年。同年であることが興味深い。
店舗は桂大橋の西詰にある。橋の上は強風で、スマホを落とさないようにと気をつけながらの撮影。
遠く紅葉しているのは嵯峨・嵐山辺りの山々だろうか。
少し拡大すると阪急電車はこんな感じ。
紙箱の絵の、味のあること。昔はこの絵のように、軒先に赤い毛せんをかけた縁台が置かれ、お饅頭を食べながら休憩する人もいたことだろう。
麦代餅。
持ち帰る間に、少し形が崩れてしまった。粒餡好きの私には嬉しいお味。朝購入して夜に食べたので表面が少しだけ乾いてしまったが、昔ながらの間違いないおいしさであった。
雪の華。
「クリスマスをイメージした金粉付きの薯蕷饅頭」と説明書きにある。確かにうっすら金粉が。そして焼き印は雪の結晶。こし餡が芋餡(鳴門金時)でくるまれ、大和芋か山芋の皮で包んでいる。個人的には薯蕷饅頭は好みではないのだが、こちらのお饅頭は小ぶりで皮が薄く、上品な甘さの二種類の餡が絶妙で、とても気に入った。
先日来、紅葉がいまひとつ、と書き続けてきた。しかし、ここにきてやっと色づいてきた。
賀茂川沿いの加茂街道から、色づいた比叡山・大文字山を撮影。写真では色がちゃんと出ていなくてスマホカメラの限界を感じるが、実際は橙色っぽい。
賀茂川岸辺のイチョウの黄色に、遅い秋を実感。
そして、御所(御苑)。今出川口から京都迎賓館周りの紅葉が美しい。
学習院跡のモミジの下から、御所の東門に向かって撮影。
凝華洞跡そばのイチョウの大木も、みごとに秋の色で、スマホや本格的なカメラを手にした人がたくさんいた。人が写り込まないよう、撮影場所とタイミングを見計らうのに一苦労。
多種多様な背の高い木々に囲まれているにも関わらず、この近くにあるモミジのグラデーションも美しい。
今日は、御苑南側よりも、北・東側の紅葉が楽しめた。