修復を終えた二条城本丸御殿が、9月1日から公開されている。入場には予約が必要で、前もってWebで予約するか、二条城の東大手門券売所や本丸御殿入り口前などに置かれた立て看板のQRコードを読み取ってWeb予約することになる。
これは、「アソビュー!」のシステムを利用した予約なので、同サイトに登録することにもなる。
Web予約はスムーズで、画面上では50分後の入場が可能となっていた。「×がついていたら、入場できませんか?」と入口の案内の方に聞いてみると「予約を取れば、人数に余裕があれば早い時間に入ることができる」とのこと。50分後の回で予約して入口でスマホを見せると、5分後の回に入場することができた。
「アソビュー!」では、利用後の口コミ投稿を促しており、後日、口コミを読んでみると、「待たずに、すぐに入れた」の投稿が多数。建物の内部保護や管理の面から入場者数を制限するのはわかるが、外部システムを利用するのではなく、ほかの方法は取れなかったのか?観覧には、システム利用料も上乗せされていると想像できる。当日、本丸御殿観覧に予約が必要と知らずに二条城に入城した観光客にも、枠を決めてチケットを販売するなど、何らかの措置が取られてもいいだろう。
さて、その御殿内であるが、玄関、御書院、御常御殿、台所・雁の間の順に観覧する。このうち御常御殿は障壁画保護のため、観覧できる部屋が時期によって違う。11月17日までは「松鶴の間」「雉子の間」「御納戸」の3部屋と「御湯殿」などである。
贅沢に金箔が施された襖絵の鶴や雉の姿もいいが、「御納戸」の襖や壁、廊下の壁にも美しい唐紙が使用されていることに驚かされる。廊下の畳縁は、最初に「傷みやすいから踏まないように」と注意された赤い絹布で設えられており、この建物で過ごすのは、どんなに気を遣っただろうと想像される。修復されたばかりの廊下にある障子の最下段が、既に一部破れていた。
御書院一の間は「書院」なのに寝所としても使用したのか、蚊帳吊り金具が部屋の四隅に二段かかっていた。リーフレットには御常御殿雉子の間に「部屋の四隅の柱には、蚊帳を吊るための金具があります」としている。それには気がつかなかった。
窓という窓は木製の鎧戸が閉じられ、内部は暗めである。どの部屋からどんな景色を楽しんだか、わからない。しかし部屋や廊下に見られるレトロでおしゃれな照明や襖の取っ手に取り付けられた房など、細部を楽しむことができ、建物好きにとって、かなり面白い。内部の撮影はできなかったうえ、観覧から二週間も経ったので、いろいろと忘れてしまったが。
観覧前にはロッカーに荷物を預ける必要がある。「貴重品以外」と貼紙があったが、案内の方は「原則、全て預けてください」と言っておられた。次に行くときは、財布とスマホが入るポケットのついた服を着ていこう。
本丸庭園北西の天守閣跡から、本丸御殿を撮影。
本丸庭園の散策路より、撮影。