京都逍遥

◇◆◇京都に暮らす大阪人、京都を歩く

西寿寺

2024-12-03 15:44:34 | まち歩き

右京鳴滝にある、袋中上人開山の西寿寺へ。1628年創建の浄土宗のお寺である。

いづみ谷 西寿寺 | 水琴窟が囁く癒しのお寺

市バス・JRバス福王子停下車、周山街道を北西に、最初の信号(嵯峨野病院の大きな看板があるところ)を右へ入る。信号下には碑があるので、すぐにわかる。

ゆるやかな坂を上ると、嵯峨野病院入口辺りから少し坂が急になるが、すぐにまたゆるやかな上り坂になる。三叉路に小さい看板があり、まっすぐ進むと駐車場、そして寺の門が目に入る。駐車場は三箇所あり、奥の駐車場が最も広い。

門の奥の紅葉を目にして、来てよかったと思う。御所も二条城も北山方面も、今年は紅葉がきれいとは言い難かった。

参道左側の赤黒い葉は、高尾紅葉だと思われる。小ぶりのもみじ葉は、真っ赤にならないのか、今年がこうなのか。

正面は、本堂だろうか?右手に屋根だけ見えるのは鐘楼。

このお堂の鬼瓦も、阿吽の獅子も、怖いお顔である。

鯱も見える。軒先の飾りが法輪であるのは、あまり見たことがない。法輪は、密教と思い込んでいた。

 

お堂扁額上部にある龍の彫り物は、かわいらしい。

 

さて、このお堂の左手には墓地へ続く坂がある。

坂の上からお堂を見下ろす。右下の駐車場はかなり広く、奥にはスロープがあるが、そこそこ傾斜があるので、車椅子だと押すのはかなりきついだろう。

駐車場東側は寒桜が多く植えられている。

HPには桜散骨という文字も見えるので、ここがそうなのかもしれない。

サツキの生垣も、ツツジも椿もどれもきちんと刈り込まれ、清掃の行き届いた、静かで美しいお寺であった。

お彼岸やお正月にはお堂内部も公開されるという。また訪れたい。

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井上道義指揮 ブルックナー

2024-11-23 21:01:28 | アート・文化

第28回京都の秋音楽祭、最後を飾るのは、今年限りで指揮活動引退を発表している井上道義氏によるブルックナー交響曲第8番ハ短調である。

ホール2Fより窓越しに撮影。

ブルックナーは初めてで、私にはよくわからない。YouTubeで2度聴いてみたが、面白くなくて、やめた。さすがにホールで聴くとある程度は集中できたが、大音響でとにかく長いな、と。コンサートでは休憩なしで約100分の演奏。キレのいいティンパニが良かった。せっかくの3台のハープ、マイクがもっと音を拾ってくれたらいいのに。弦楽器のピチカートも同様。もったいない。

指揮は、指揮台なし、タクトなし。掌と腕の動きに目が釘付けだった。万雷の拍手で迎えられたカーテンコールの際の井上氏のご様子に、お人柄がしのばれた。

ロビーには井上氏のこれまでの足跡をしるす数枚の写真が飾られ、引退が強く意識される。

京都コンサートホールに限らず、これまで行ったどのホールでも、観客のほとんどは50~70代とおぼしき女性(若い有名ピアニストのコンサートでは20代であろう女性客も)だったが、今日のコンサートは圧倒的に60~70代の男性が多かった。こんなに客層が違うとは、驚き。

廊下に掛けられた井上氏の肖像。1階会館入り口から2階ホール入口までのスロープに、何人もの指揮者や奏者の写真(モニター)が掛けられており、その1枚。

 

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帰命山蓮華寺

2024-11-22 22:19:23 | まち歩き

前々から行ってみたかった蓮華寺。京都に詳しい東京からの観光客に教えてもらったお寺である。叡電三宅八幡駅から徒歩、あるいは京都バス上橋下車、すぐ北側にある。

バス停向かいに、蓮華寺駐車場。駐車場脇の路地から入る。

参拝客が多い。座敷には30人以上の中国人観光客。あまり知られていない小規模なお寺と聞いて来たが、中国人の方々の情報量に驚かされる。散策用に用意されたスリッパに履き替えて、本堂まで歩く。本堂を周ると、南側にトムテのような灯籠がある。上の写真の駒札にある「蓮華寺型燈籠」である。細長い帽子を被ったようなその形は、かなりかわいらしい。燈籠まわりのモミジやイチョウの木は高木で、南側からの光を遮っているため、地面に広がる苔が美しいのだろう。本堂の石川丈山筆の扁額(同じく駒札より)は、いい字形で、個人的にはとても好ましい。

ゆっくりと本堂を周回し、書院に戻ると、団体客が帰った後だった。

書院より本堂の方を撮影。

書院南側に広がる苔。

蹲踞の足元にツワブキ。

期待したよりも紅葉は少ない。北山通と同様、今年は紅葉せずに枯葉となってしまう木も多いようだ。

書院を退出して山門を出るまでに、東側に鳥居と井戸がある。副住職さんのお話では、鳥居はその奥に祀られているお稲荷さんのもので、火事で行き場を失ったお稲荷さんが、蓮華寺の境内に移転したものらしい。

鳥居の右には鐘楼。

鳥居の左手に井戸。

井戸の屋根にはあまり見たことのない紋の入った軒丸瓦があった。

これは、「丸に四つ俵」という紋で、蓮華寺を造営した加賀の今枝家の家紋であるらしい。鐘楼の建具や蟇股にも同じ柄があしらわれている。

志納金500円を納めた際に手渡された、花弁型の縁起書。色も柄も味がある。

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紅葉――北山界隈

2024-11-18 20:22:11 | まち歩き

紅葉が年々遅くなっている。比叡山に紅葉狩りに行きたいと思いながらも、まばら紅葉では行く甲斐がない。とりあえずは北山付近へ。

紫明通(北大路通南)の紅葉。

北山大橋より南側を望む。

北山大橋より北側を望む。

写真の通り、橋の北側にはグレーの薄雲が広がり、10分ほどで霧雨が降り出した。

北山通(植物園北)の紅葉。

 

宝池隧道南側より比叡山遠望。

霧雨は一旦止み、少し青空も見える。

宝池橋より比叡山を望む。

ここからの比叡山は、頂上近くに、ほんの数本の紅葉が見られるのみであった。明日からの寒さで、一気に紅葉は進むだろうか。

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京響 第695回定期演奏会

2024-11-16 20:59:57 | アート・文化

「京都の秋 音楽祭」の一環として開催された京都市交響楽団第695回定期演奏会。

今日のコンサートは、時間ができて先週急遽予約したものだから、曲の予習をしないまま出かけた。

1曲目のモーツァルトは、レガートが優しく優美な印象。

2曲目のベートーヴェンはソロに入る前のオーケストラのメロディを聴いて「あ、この曲知ってる」と気づいた。曲の始まりのティンパニでは気づかず。小規模編成のオーケストラで、独奏ヴァイオリンは高音でメロディを奏でる。優雅である。調べてみると、1806年12月に初演なので、その頃に完成したようだが、翌年、ピアノ協奏曲に編曲したらしい。なるほど、私が知っていたのは『ピアノ協奏曲ニ長調作品61a』だったようだ。

3曲目のドヴォルザークは、初めて聴く曲だった。ティンパニも木管もそれぞれ素晴らしく、鈴木雅明氏の指揮は熱量が伝わってくるようだった。

個人的には9月のコンサートよりも全体として満足度が高かったが、何といっても最も良かったのは2曲目と3曲目の間で演奏されたソリストのアンコール曲であった。私の好きなバッハだったからかもしれない。コンツェルトでは演奏技術の高さがよくわかったが、アンコールの独奏は、心に染み入るような音色だった。ピアニッシモの最後のFの音がホールに拡散して消え入るところなど、これはヴァイオリンでしかできないと思わせられる。

帰宅後、ジョシュア・ブラウンをYouTubeで何曲か聴いた。ジョシュア・ブラウンによる同曲の演奏はYouTubeで見つからなかったので、Itzhak Perlmanの演奏で曲の復習も。

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