全国でも徳島県那賀町の木頭にしか伝承されていない古代布「太布」(楮布)とも言う。その展示会「楮布織展」が鳴門市の喫茶店、店内ギヤラリーで開かれている。古代、働く布、とよばれ、穀物の袋や衣服に使われた楮布。
時代は移って現代の暮らしにあった、テーブルセンターやクッション、ショルターバック等が展示、即売されている。和紙の原料にもなるコウゾの仲間、カジの樹皮から紡いた糸で織られた製品は、ざっくりとした手触りで、生成りの自然な色合いが美しい。
使えば使うほど、布の強さも嘆じられると言う。大量生産品にはない、本物の良さだろう。木頭には、戦後途絶えていた太布織を復活させた伝承会がある。沖縄には芭蕉布と言うのがある。根気のいる二十近い工程のうち、カジの枝を山から集め、庭で蒸す作業から始まる。
あまり遠くない私の「故郷」村では、三つ叉と言う木を自然のものを集めたり栽培していました。これは和紙に使うものですがいずれも、何でもなさそうなものから、立派な製品を作り上げた先人達の知恵は素晴らしいものです。そして苦労を重ねた末の製品、見捨てることは許されないことなのです。