徳島県徳島市の中心地に蜂須賀公が城を構えた城山があります。お城は焼けてしまって有りませんが、小さな山全体原生林に覆われています。近くに住む人達は一周したり、登ったりと、朝夕、日曜日などは沢山の方が利用されている所でも有ります。東坂口から石段を登ること五分。
かって徳島城の天守閣があった東二の丸後の再東端に、樹齢百五十年以上のホルトノキが二本並ぶ。ホルトノキは城山原生林の代表する木で、徳島市の木にも選定されている。でもホルトって何だろう。懸自然保護協会によると古くは椎(しい)トキと呼ばれていた。
江戸時代中期の博物学者・平賀源内(1728年ー79年)がオリーブと勘違いし「ボルトガルの木」と言ったのがなまった、との説が有るが、いつ呼び名が変わったかは判然とはしない。常禄樹で夏には白い花を咲かせる。城山にある群落は県内随一。20年程前まで250本以上あった。
しかし現在は三分の一以下に激減。車の排気ガスなどが指摘されるものの、原因は分からず、十数年で枯れ木の山になるのでは、と心配されている。東二の丸後の二本も南側の木は既に枯れ、もう一方も幹に空洞が出来、樹勢に陰が見える。街中に残る貴重な原生林。保護に向け徳島城址を愛する会などが植樹も初めてはいるが。?