自然は、沈黙した。鳥たちは、何処え行ってしまったのか。ああ鳥がいた、と思っても、死にかけていた。ぶるぶる体をふるはせ、飛ぶことも出来なかった。春が来たが、沈黙の春だった。米国の生物学者レイチェル・カーソンが「沈黙の春」を出版したのは1962年。農薬や合成殺虫剤による環境破壊に警告をならし、米国に環境保護庁が設けられたきっかけとなった。世界各国で翻訳され、環境保護のバイブル敵存在にもなった。
農薬などの乱用は川の水や地下水、土壌を汚染する。魚や鳥、家畜ばかりか人間の身体にも発ガン物質を蓄積させる、とカーソンは警告した。同書の出版から2年後、カーソン自身も、乳ガンで56歳の生涯を閉じている。沈黙の春の出版から45年警告は。心ある人々を啓発し続けたが、環境破壊は地球的規模で進んだ。カーソンが生きていれば、どんなに悲しんだか、
カーソンは書いている。そんなの環境破壊などは空想の物語さ、とみんな言うかも知れない。だが、これらの禍いがいつ現実となって、私たちに襲いかかるか、思い知らされる日が来るだろう。:現実になった、しかし、何処まで思い知ったか?。と言われれば、まだまただそんなに知る人も少ない。でも、来てしまった。