高速バスに乗り、約2時間
静かな、鉄の町へやってきました。
幼なじみのたえちゃんが、だんなさんの故郷であるこの町に
移り住んで7年。
いつか行くね。 なんて言ってばかりで7年。
とうとう、やってきた。
腰の重い私をここに向かわせたのは暮れに届いた喪中のはがき。
たえちゃんのお母さんが亡くなった。
たえちゃんはお父さんがいなかった。
小さい頃から、お母さんはたえちゃんとおにいちゃんを
たった一人で育ててきた。
美しい人で、ダンスをやってみたり、写真を勉強しては
私の舞台にもよく足を運んでくださった。
ガンだったそうだ。
私もショックで、悲しくて
たえちゃんに電話もメールも手紙もできなかった。
で、
行くことにした。
バスを降りるとそこに待っていてくれたたえちゃんは
変わらない。
「来てくれてありがと~」
そう言って、
「今日はね○○へ行って、さかなのおいしい××へ行って・・・
(続く・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・)で、いい?」
「はい!いいです!」
あいかわらずだ・・・・・。
さっそく、日も暮れてきたというのに牧場へ。
海が見える高台の牧場。
晴れてるときはすばらしくきれいらしい。・・・雪降ってるし・・・。
ヨーグルトやチーズを買って、牛の搾乳の作業をしばし見学。
機械化なのね・・・。
手でピューピューやってんのかと思った
お次はうまい魚を食べさせてくれるというお店。
「カレイの煮付け・ほっけ・お刺身・かに・かき・焼きいか」
ばんばん注文するたえちゃん。たべれんのか?そんなに・・・・。
「ごはんものはいい?」
・・・いいです・・あとで・・・・
わ~い!わ~い!かにだ~かにだぁ~
市場で味見しただけだったかに。
身がぎっしり! こんなかに食べたことない!
しかも、大盛り~大盛り~
このお刺身の厚いこと!
スーパーで小さく刻まれたようなお刺身はなんなんだよ!
と、ビールをおかわりする。
全部が今まで食べてきたものとスケールが違う。
お隣では生きたままのえびを食べてるし・・・。
とんできたぞ!
こっちまで。
町では人を見かけなかったけど、ここは満席だ。
2万円で足りるかな?
と、心配してたら1万円でおつりがきてた。
え???
うそ?
おばちゃん、まちがってないかい?
・・・ここに住みたい・・・。
まだ、つづく。