詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

影絵

2015年01月17日 | 
朝は六時前に起きて
まずカーテンを開けてみるから
向かう先は逆なのに
この夕べ
太陽の裾がすっかり見えなくなるときの様子が
朝と同じだとわかる
ほとんど閉じられかけている
このドームの縁のぐるり
一番遠く一番近いところで
懐かしい劇を再現している
スイカの身と皮の間のような薄まった色を経て
朱から藍にいく
けれど見上げてしまえば頭上を覆い尽くすのは
夜という不思議な名前
青、緑、赤、黄の光がぽつりぽつりと
めいめいの場所で何かを思い出そうとする演技
土手は黒い影
空にまだ藍が残っているから
自転車が白いライトを押しながら
土手の上、黒く踊る木立ちの向こうを
遮られながら走っていくのが見える

静けさも澄んだ空気も
こんなにも深く
まだ藍がこの世界を支配しているから
小さく押し込めようと
四方八方から迫ってくる
寒さと競り合っても
受け取るものの多さに
閾を越えてあふれ出し
ひろがっていくものがある

それがメッセージなのだと
そう感じられることがメッセージなのだと感じたいほど
喜びなのか祈りなのかわからない
ただひたすらに藍が透きとおっている

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 暮れる | トップ |  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事