言葉は
2016年03月19日 | 詩
言葉は嘘をつけるが
言葉に嘘はつけない
幸せを選んで夢を捨てたのだと
言葉は見抜いている
ひとりきりの空の住人たちとの暮らしや
ひとりきりの地の影たちとの戯れを
捨てることを選んだのだと見抜いている
言葉は羽毛の一本一本の細やかさを
ふくらみに指をもぐらせる
その手ざわりを
忘れた
貧しさやさみしさこそ財産
倦怠こそ肥沃な大地
そう思うとき
来るべき老年に向かって
煙に燻された太い柱が立つ
柿の渋を塗り続け
空虚という名の虫喰いを阻もう
まるくなる生に
さびしいことにも気付かぬほどさびしい生に
レースのように言葉で縁飾りを
ぎざぎざや凹凸や陰影や手ざわりの
心細さを巻き終わり
ひとによってかじぶんによってか
かりそめにも
太く白い道にどっかり座ってみると
さみしくてもさみしくなくても
かなしくてもかなしくなくても
うれしくてもうれしくなくても
どんな方便が東西南北を駆けまわっても
空隙に無為を見つけ巣づくりをはじめる
この心の傾きは
雲をつくり落ち流れ
固まりなどしても
いずれ遥かなる安定へと注ぎ込み
安らっている海のように
しぶとくわたしの真ん中である
そうわかって安心した
もう他のものになろうとしなくていいと
ようやくあきらめがついて
幸せでも不幸せでもいいのだとわかって
太陽はきっと昇るだろう
太陽はきっと沈むだろう
幾度もわたしをなぞっていくだろう
過去を積んで先端が現在である木が
空に向かって枝を開くように
わたしも未来へ体いっぱいに手を開こう
未来を手放そう
言葉に嘘はつけない
幸せを選んで夢を捨てたのだと
言葉は見抜いている
ひとりきりの空の住人たちとの暮らしや
ひとりきりの地の影たちとの戯れを
捨てることを選んだのだと見抜いている
言葉は羽毛の一本一本の細やかさを
ふくらみに指をもぐらせる
その手ざわりを
忘れた
貧しさやさみしさこそ財産
倦怠こそ肥沃な大地
そう思うとき
来るべき老年に向かって
煙に燻された太い柱が立つ
柿の渋を塗り続け
空虚という名の虫喰いを阻もう
まるくなる生に
さびしいことにも気付かぬほどさびしい生に
レースのように言葉で縁飾りを
ぎざぎざや凹凸や陰影や手ざわりの
心細さを巻き終わり
ひとによってかじぶんによってか
かりそめにも
太く白い道にどっかり座ってみると
さみしくてもさみしくなくても
かなしくてもかなしくなくても
うれしくてもうれしくなくても
どんな方便が東西南北を駆けまわっても
空隙に無為を見つけ巣づくりをはじめる
この心の傾きは
雲をつくり落ち流れ
固まりなどしても
いずれ遥かなる安定へと注ぎ込み
安らっている海のように
しぶとくわたしの真ん中である
そうわかって安心した
もう他のものになろうとしなくていいと
ようやくあきらめがついて
幸せでも不幸せでもいいのだとわかって
太陽はきっと昇るだろう
太陽はきっと沈むだろう
幾度もわたしをなぞっていくだろう
過去を積んで先端が現在である木が
空に向かって枝を開くように
わたしも未来へ体いっぱいに手を開こう
未来を手放そう
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