詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

枝々の先で生まれようとしている春

2017年04月27日 | 
眼を射抜かれて
黒い木立ちが消えてゆく
歩き続けて光がそれると視界がもどり
芽吹くものを見つける
枝々の先で生まれようとしている春

その角へ向かってみな急いでいる
季節の指先から洩れる
新しい匂いを嗅ごうと身を乗り出して
あたたかい空気を脚に絡ませながら

咲いてみれば
何回目、何十回目の春

変わってしまったことも
変わらなかったことも
同じ季節に迎えられていることに
退屈を覚えているのは
あなたが変わったからだ

遠く遠く迂回したつもりだったのに
平凡な答えにたどり着いたと
がっかりしている

青ざめた空は冷たさの象徴
白い濁りは暖かさ
胸に抱く花

そうして満開の枝々をくぐり
見上げると
空がダイナミックに動いていく
それはあなたが歩いているから
鼻歌を忘れないこと
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