同じ色
2016年04月23日 | 詩
泣くことは難しい
菜の花、蔓日日草、花水木、小手毬、
緑の葉の茂み
いっせいに踊る
そのように、純粋になることは難しい
雨がやんで雲が動いて輝き出した
そのように無心であることは
寄り道帰り道
わざと迷ってみる
暮れていく時
プールの中のような
不思議な青さが
空だけでなく
建物や木々や街灯まで染める
信号はわたしを追い越して
もっと先にいる誰かに
合図を送っているらしい
この辺りにあのパン屋があったはず
街路樹と両脇の家にのしかかられながら
小さな扉を開くパン工場
いつも行方知れずになる
生け垣ガードレール庇の影
かきわけて
それを探す楽しみは
暗くひっそりとしたガラス戸に
わずかながっかりとさみしさに
姿を変えて映っている
泣くことがなければ嘘はない
弱さもない
それぞれの色はわかるのに
全体にゼリーのような厚みと透明さで
一様に同じ色の向こうに沈んでいる
騙し絵が反転するように
そう気が付いた瞬間
流れ込んだ…水
校舎の広々とした側壁を
仮定のように
過程のようにゆっくりと
降りてくる
非常階段の黒い影も
同じ色に
きっとわたしも同じ色に
そう気が付いたのは
それから幾日も経ってからだった
菜の花、蔓日日草、花水木、小手毬、
緑の葉の茂み
いっせいに踊る
そのように、純粋になることは難しい
雨がやんで雲が動いて輝き出した
そのように無心であることは
寄り道帰り道
わざと迷ってみる
暮れていく時
プールの中のような
不思議な青さが
空だけでなく
建物や木々や街灯まで染める
信号はわたしを追い越して
もっと先にいる誰かに
合図を送っているらしい
この辺りにあのパン屋があったはず
街路樹と両脇の家にのしかかられながら
小さな扉を開くパン工場
いつも行方知れずになる
生け垣ガードレール庇の影
かきわけて
それを探す楽しみは
暗くひっそりとしたガラス戸に
わずかながっかりとさみしさに
姿を変えて映っている
泣くことがなければ嘘はない
弱さもない
それぞれの色はわかるのに
全体にゼリーのような厚みと透明さで
一様に同じ色の向こうに沈んでいる
騙し絵が反転するように
そう気が付いた瞬間
流れ込んだ…水
校舎の広々とした側壁を
仮定のように
過程のようにゆっくりと
降りてくる
非常階段の黒い影も
同じ色に
きっとわたしも同じ色に
そう気が付いたのは
それから幾日も経ってからだった
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