木枯らし
2016年11月12日 | 詩
風が吹いて
吹いて
一枚一枚
一度にたくさんだったとしても
一枚は一枚
空中に一瞬の
ダイイングメッセージを描きながら
アスファルトに落ちて
卒業アルバムの顔のように
あざやかにかすんで
重なるけれど
細い枝が絡みあっている木は
数えるほどの葉っぱを
かろうじてつなぎとめていて
擦れる石灰の味
水をたっぷりと含んでいることで
緑色だった葉の
あせた時間はコンクリートの壁に
やせた息を吹きかける
冷たい固さが引き立てる
乾いた黄赤(キセキ)
めくるめく枯れ葉は
しずかなためか
まるで作り物めく
幼いまなざしが夕日のように注がれている
枯れていることが幼年の夢想に
含まれていたと中年で知り
驚いてしまう幾度も
ぽってりとした木彫りのスプーン
過去は未来を未来は過去を
行ったり来たりして
いつも不在
ずっと遠くを見ている子ども
新しく驚いてばかりのおとな
一つの光景を前にして
離れるほどに共鳴していく
まるで作り物めいて
深まっていく季節
吹いて
一枚一枚
一度にたくさんだったとしても
一枚は一枚
空中に一瞬の
ダイイングメッセージを描きながら
アスファルトに落ちて
卒業アルバムの顔のように
あざやかにかすんで
重なるけれど
細い枝が絡みあっている木は
数えるほどの葉っぱを
かろうじてつなぎとめていて
擦れる石灰の味
水をたっぷりと含んでいることで
緑色だった葉の
あせた時間はコンクリートの壁に
やせた息を吹きかける
冷たい固さが引き立てる
乾いた黄赤(キセキ)
めくるめく枯れ葉は
しずかなためか
まるで作り物めく
幼いまなざしが夕日のように注がれている
枯れていることが幼年の夢想に
含まれていたと中年で知り
驚いてしまう幾度も
ぽってりとした木彫りのスプーン
過去は未来を未来は過去を
行ったり来たりして
いつも不在
ずっと遠くを見ている子ども
新しく驚いてばかりのおとな
一つの光景を前にして
離れるほどに共鳴していく
まるで作り物めいて
深まっていく季節
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