走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

出口の形

2020年12月12日 | 仕事
ついに、ついにのニュース第二弾。
コロナの予防接種のニュースです。当初早くても一月からと言われていたカナダでの予防接種。それが繰り上がりBC州では来週から始まり3月までに40万人を目標にと発表されました。40万人は州の人口の10%に当たります。ハードイミュニティーと呼ばれる集団抗体にはなりませんが当初の予定よりずっと高い数字が狙えそうな様子です。ようやくこの長い長いトンネルの出口の形が見えてきたことをとても嬉しく思います。

最初の入荷は試験施行に近いものなので入荷数は多くないけれど、その次からは数が増えセンターの数も州に30を目指すそうだ。製薬会社ファイザーのものから始まるがメディーナもただいまカナダ政府の認定審査の結果待ちで、それが通ればセンターから離れた地域でも接種が始められるそうだ。1月にそれは始まると予想されている。

誰が受けられるのか?最優先されるのは施設に入居中の高齢者。ICU、ERとコロナ病棟のスタッフ。長期療養型施設のスタッフ。在宅高齢者、在宅医療スタッフと続く。

今回のコロナで感心するのはカナダのヘルスケアシステムの強さ。国と州で一律の医療を提供しているからこそ共通性と発進力が凄い。既にある予防接種ネットワークを基盤とし、どのようにこの特殊な予防接種を始めるか?ロジスティックの構築が早いと思う。そして医療者の意見が尊重され政治家はそれをサポートする側に回っている。輸送と安全の為カナダ軍、警察なども参加する共同作業。シームレスだと思う。ドライランと呼ばれる予行練習は既に上手くいっており、必要な物品も揃っている。

記者会見の中でボニーヘンリー博士が、「手筈が整い滞りなく拡大できる予定だが、多少の調整は必要だと予測している。その時点で直せば良い、、、」これもカナダらしいと思う。完璧を求めても人間は完璧を作り上げることはできない。人類初めてのこの瞬間に今の英知を集合させベストを尽くす。そしてそこからもまだまだ学ぶ事ができる姿勢。ミッションの成功を願い、それを成功へ導いているチームに尊敬の拍手を送りたい。


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