走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

自分の身体の責任

2015年06月30日 | 仕事
マーティンの下肢切断は決まっていた。しかし他の血管外科医が手術をすると言い出し、それは成功した。足の痛みも取れ、血流も回復してマーティンは喜んでいた。マーティンの前回の記事はこちら。 しかし前回と同じく検査の採血が来る日に家にいない、検査に行ったとしても、抗血栓剤の量を伝えたくても電話に出ない、留守電もない。何も変わっていない。このままでは血栓がまた飛ぶと、血管外科医に検査の必要がない新薬に切り . . . 本文を読む

ホームレスの特徴

2015年06月29日 | 仕事
先日のプレゼンのためにホームレスにフォーカスして統計を見直した。 私の患者全体の平均年齢は50歳。男女ともに変わらない。私は小児から90歳まで幅広い年齢層を診ている。ホームレスに絞ると20代から70代。60ー70代でもホームレスでいることに驚く。50代が一番のピークだ。貧困層の人たちは体を張った仕事をする傾向がある。50代に入ると腰痛や持慢性病で働けなくなる人が多い。保険もなければ貯金もない。そ . . . 本文を読む

仕事の拡大

2015年06月26日 | 仕事
NPが出来ないことの一つにコントロールされている薬剤の処方。コントロールされている薬剤は麻薬、筋弛緩剤、ベンゾジアゼピン系の薬などだ。悪用されたり、死に直結するような薬だから厳しく処方を管理されている。 しかし無医村、医者不足の現状は厳しく、医師がいないと言うだけで適切な痛みの治療を受けることができないなど人間の権利を満たせない状況がある。 国としては処方者の制約を解除することでこのギャップを . . . 本文を読む

醍醐味

2015年06月25日 | 仕事
NPの仕事は病状が安定した、難しくない患者を想定して教育内容が決められた。しかし実際は医師が手に負えない、非常に難しい患者を対象に仕事が作られている。 どうしてメンタルヘルスや薬物依存などがある患者が医療から離れていくのか?それは難しく、時間がかかる作業が付帯するから。医師は患者を煙たがり患者も医師から離れていく。NPは医師のように1人診てなんぼの支払いではなくサラリーなのでいくらでも時間がかけ . . . 本文を読む

政治

2015年06月24日 | 仕事
昨日の夕方は市議会でプレゼン。 所属している医師会みたいなところに招待状が来て医師2人と行ってきました。私のプレゼンは10分ほど、ホームレスについて。市としても取り組んでいる問題だけに質問を沢山受けました。 私の活動を知らなかった市議会員もいて、驚かれ、感心の声をもらいました。発足以来参加を要請していたのに断られ続けたホームレスタスクフォースにも是非加わって欲しいと言われ、広報活動は大切なのだ . . . 本文を読む