走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

新型コロナウイルス

2020年02月29日 | 仕事
新型コロナウイルスについて少し。先日も書きましたが、カナダは2002-2003年のSARSの苦い経験があるので、今回も早くから対策を始めていました。しかしそれは空港のサーモ(体温)テェックポイントではありません。徹底したサベーランス(追跡調査)システムと国民への啓蒙と医療者への指導です。中央(感染対策センター)から医療者へ送られるプロトコールのEメールは週に2〜3度送られます。特に . . . 本文を読む

学会始まり

2020年02月28日 | 仕事
本日より3日間の学会。お題はプライマリーケア。広い分野をカバーしなければなりませんから、内容は多岐に渡ります。1日目は小児と母性、2日目は内科と老年期医療、3日目はその他諸々で皮膚科、肥満、泌尿器科、耳鼻咽喉科などなど。このような学会はホテルで行われるのが通常。まずは朝食から始まります。休憩時間には飲み物とスナックも当たり前。昼食もビュッフェで昼からももちろんスナックと飲み物。3時 . . . 本文を読む

健康を左右する

2020年02月27日 | 仕事
刑務所に入っても医療ケアを受ける権利がある。私の患者が収容されたのは数ヶ月前。病態的にとても複雑な患者だった彼女。刑務所の医療チームからはひつこいぐらい電話がきた。カルテのコピーを至急全部送って欲しいと。そう、言われても彼女のカルテはでかい。どれぐらいの期間収容されるのかにより、どれぐらいの情報を提供するか決めたいと言ったが、収容期間は言えないので、とにかく全部送ってくれと。で、彼 . . . 本文を読む

呼び寄せる

2020年02月26日 | 仕事
同僚から聞いた話。息子に誘われて慣れ親しんだ土地を離れて息子の住む街に越した老夫婦。奥さんの方が倒れ入院後に長期滞在型の施設への入所となる。奥さんの入所費用と旦那さんの家賃。両方払うとやりくりできない、と困っている旦那さんと奥さんの法的手続きを手伝った同僚(別々の居住していることで個人負担の額が変わる)。息子さんとは連絡を取っているんですか?と聞くと、越してからも奥さんが入院してか . . . 本文を読む

だからNP

2020年02月25日 | 仕事
凄〜く難しい患者の彼。病状も難しければ性格も難しいときた。短気でパニックになりやすい。そんな彼は長らく診てもらっていた医師から追い出された。病状が難しいのでプライマリーなしでは生死に関わる。ということで彼は私の患者になった。3度目の診察。彼の話はあっちへこっちへと飛ぶだけではなく、泣き出したり、どうでもいい!と怒鳴りだしたり。そこをなんとかかいくぐり毎回診察で目指していたものまでた . . . 本文を読む