先週の勉強会は良かった。個人の生き方はそれぞれ。目標もやりたいこともそれぞれ。だから医療者側が考える目標を患者に押し付けるべきではない、と考えさせられた。
それぞれの個別性にあったもの。特に医療者側が決めるのではなくて患者本人が決めるべきと。特に薬物依存医療で。
英語ではAbstinent と言います。巷ではクリーンと言ったり。薬物を使っていない状況のことを指します。「薬物をもうしていない」には5年以上していない人も3ヶ月の人も3日の人も含まれます。3ヶ月やめて9ヶ月は利用して繰り返しであれば辞めたとは言えない???
そもそもAbstinent に焦点を当てているのが間違いでは?と言うような内容でした。ゴールではなくてプロセス。その中で自分がどうありたいか表現でき、それに向かっていることがリカバリーなのではないか?そもそもAbstinentが云々ではなくて、依存に関連して問題となっている生活部分、例えば勤務状況や家族関係、犯罪とかいろいろあるのでは?
よくNP学生さんに「私は数字を治療しているのではなくて人間を治療している」と話す。数字ばかりにとらわれずにその人全体を診るって事。それと同じだ。Abstinentに集中しすぎて、その人が見えなくなっている。その人にとってのリカバリーの意味を確認することは治療をしている上ではしょれない。
薬物依存医療に限らず、すべての慢性期疾患で言えると思います。患者の目標が医療者側が当たり前と思っている目標と異なっていても、そのプログレスを一緒にお祝いできる、そうなると医療は随分変わるな〜と思ったのでここでシェアしました。
冒頭写真: 裏大山と呼ばれる岡山側から。紅葉が始まるととても綺麗な観光ポイント。