4月14日(木)はれ
昨年の本屋大賞作品を読んだ。
文庫化を待ってた作品だったのだ。
3月に文庫の新刊としてポプラ文庫ピュアフルから出版された。
【船に乗れ!】藤谷治
青春ストーリーだけど、幼すぎない内容
音楽一族に産まれたサトルの挫折、恋、努力、
学生生活の楽しさや、背伸びをしたい年頃の心理が描かれている。
今時珍しく、余白も行間も極力少なく文字がたくさん並んだ本というところ
合奏と協奏から始まり、独奏から合奏協奏曲へと3部からなる。
サブのタイトルも読み終えると意味がわかる。
そんなところがツボでした。
音楽に興味がない人は多少なりとも退屈になる部分もあるが、
分かりやすく書いてあったり、ところどころはとてもマニアックで
調べてみようかなと興味をそそる描き方が良かった。
音楽と自分と、思春期のたたかい。
ぶちあたる壁、卑怯にも逃げたりしようかという心情
10代の繊細な、だけどごく普通に傲慢になりたい年頃の心理が手に取る様に分かる。
作家さんが、10代の子に読んで欲しいと願って書いたという気持ちも伝わってきました。
大人になった自分が、アノ頃こうしていれば良かったと思う気持ちも痛い程分かる。
さすがノミネート作品と、改めて思いました。
だからこそ、この本は10代の初々しい子供達に読んで欲しい。
ちょっとがんばれば読める3冊だ。
もちろん大人のアナタにも是非!
Pablo Casals plays the prelude from Bach´s Cello Suite No. 1
ということで、
またも大好きなパブロ・カザルス氏による無伴奏チェロ組曲を聴くケモノなのでした。
この曲、このチェロの響き、ケモノの大好物。