昼の部の演目は、まず、
「色気噺お伊勢帰り」
香川登枝緒 作
米田 亘 補綴
わかぎゑふ 演出
左官喜六 鴈治郎
喜六女房お安 扇雀
大工清八 芝翫
遊女お紺 梅枝
清八女房お咲 壱太郎
遊女お鹿 猿弥
油屋女将おかつ 秀太郎
です。
間の抜けた左官の喜六と二枚目の大工清八は、お伊勢参りから大坂への帰り道に、精進落としと称して、古市の油屋で廓遊びをしてから家路に着きます。その道すがら、日頃から女房お安の尻に敷かれている喜六は、お安にやきもちを焼かせるため、清八に「喜六が油屋一番の遊女お紺に惚れられて困っていた」とお安に伝えてほしいと頼みます。実は、お紺は清八の相手だったのですが、情に厚い清八はこれを引き受け、長屋に帰ると、言葉巧みに語り、お安を煙に巻くのでした。しかし、お紺が清八の前に現れて…。
喜六と清八、そしてお安の軽快なやりとりがみどころの、松竹新喜劇の名作を歌舞伎として新たに再構成した舞台をお楽しみください。
松竹新喜劇らしい舞台でした。
伊勢参り帰りの精進落としでの古市の油屋の美人のお紺、お鹿、とくれば「伊勢音頭恋寝刃」ですが、
この演目のお紺は・・・
おかつは人間国宝となった秀太郎。雰囲気が抜群ですね。
この後30分の休憩。
弁当は高島屋で買ってきた牛肉の弁当。
「厳島招檜扇」日招ぎの清盛
栄華を極めた平清盛は、厳島神社で開催される遷座の式を差配します。一同が祝いの言葉を述べ、仏御前と祇王が奉納舞を踊るところ、突然、仏御前が清盛に斬りかかろうとしたので、清盛はこれを檜扇で撃ち落とします。一方、今宵が遷座にも関わらず、大経堂の修理が間に合っていないことを知った清盛は、中国の故事を引き合いに出し、祈りとともに檜扇で西海に入ろうとする夕日を招きます。すると不思議なことに夕日が昇り始め、一同は清盛の威勢に驚くのでした。
歌舞伎の様式美にあふれた豪華絢爛なひと幕をご堪能ください。
平相国清盛 我當
内大臣宗盛 進之介
祇王 壱太郎
小松三位維盛 中村福之助
仏御前実は源義朝息女九重姫 時蔵
歌舞伎の様式美をみるだけの(といえば言いすぎですが)お芝居。
時蔵と壱太郎綺麗~、我當立派~っていうお芝居ですね。
それにしても我當は弱弱しくなり、進之介は相変わらずの・・・ですね。
さてその次が今回の一番の楽しみの
「義経千本桜」渡海屋、大物浦
なにせ、知盛を演じる仁左衛門が「関西ではもう今回が最後になるかもしれない、それぐらいの意気込みで勤めたい」、
とインタビューに答えているので。
渡海屋銀平実は新中納言知盛 仁左衛門
女房お柳実は典侍の局 孝太郎
源義経 菊之助
入江丹蔵 猿弥
武蔵坊弁慶 彌十郎
相模五郎 鴈治郎
兄、頼朝の追手から逃れるため九州へ向かう義経一行は、大物浦の船問屋である渡海屋で船出を待っています。そこへ鎌倉方の追手の相模五郎と入江丹蔵が現れ、船を出すように迫りますが、渡海屋の主人銀平と女房お柳に追い返されます。まもなく船出の時刻となり、義経は家臣と共に渡海屋をあとにすると、鎧姿の銀平が現れます。実は銀平は壇ノ浦の合戦で死んだはずの平知盛。女房お柳は典侍の局、娘お安は安徳帝であり、義経を待ち伏せしていたのです。知盛は船出した義経一行を襲いますが、返り討ちにあってしまいます。典侍の局は義経に帝を託して自害すると、それを見た知盛も体に碇綱を巻きつけ、壮絶な最期を遂げるのでした。
平家再興を願った武将の末路を描いた、重厚感あふれる義太夫狂言屈指の名作にどうぞご期待ください。
銀平が娘お安として守ってきた安特天皇帝に諭された瞬間、憑き物が落ちたように、かかえる苦しみや戦いの虚しさを語るります。
そして今までの敵(義経)に安徳天皇を託し、『(安徳天皇を)守るから安心しろ』と言われたときの解放感、戦い続けてきた知盛の哀れさ、安徳天皇からは「われを供奉し、介抱せしは知盛が情け、きょうまたわれを助けしは義経が情けなれば、仇に思うな知盛」と諭され、
典侍の局が自害をするのを目の当たりにし、実は安徳天皇は姫宮であり、それを知盛たちの父平清盛が外戚になりたい望みで男宮と偽って皇位に就けたので天照大神の罰があたったのだと述懐し、潔く海へ消えていく、
何度観ても涙なしに見ることのできない悲劇です。
この演目だけのちらしがあります。
そして左右それぞれのポスターが販売されていて、1枚3000円・・・
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