八陣守護城(はちじんしゅごのほんじょう)
浪花入江の段
主計之助早討の段
正清本城の段
文楽で見るのは、文楽を観始めてまだ3年目の平成4年、そしてその16年後の平成20年、
そして今回平成27年、11年ぶりです。
平成4年には今回の段の他に、「門前の段」「毒酒の段」が演じられたのですが、前回・今回は省略されています。
歌舞伎では平成23年の松竹座での初春公演、そして平成20年の南座の顔見世興行で出ています。
その時には「湖水御座船の場」(文楽での浪花入江の段)が出ています。
正清を我當、雛衣を秀太郎
しかしなんといっても平成5年の南座での顔見世興行が忘れられません。
正清は我當・秀太郎の父十三代仁左衛門、雛衣は三代目鴈治郎(現坂田藤十郎)でしたから。
筋としてはう~ん、というところですが。
歌舞伎ではわからないことが文楽ではいろいろとよくわかりますね。
義太夫の靖太夫、最近めきめきとよくなってきていますね。
咲甫太夫さんも織太夫襲名を控え、脂がのっています。
この前京都でのイベントに参加させてもらって、今は中堅の中で一番注目しております。
呂太夫さんも襲名後いい声を聴かせてもらっております。
人形ではやはり立派な正清を使った玉男さんが素晴らしい。
鑓の権三重帷子(やりのごんざかさねかたびら)
浜の宮婆の段
浅香市之進留守宅の段
数寄屋の段
伏見京橋妻敵討の段
近松三大姦通物の一つですね。(他の二つは「堀川波鼓」「大経師昔暦」)
多少人間関係がややこしいのですが・・・
吉田和生さんが人間国宝になって初めての舞台になりますが、
複雑な立場のおさゐをうまく遣っています。
そして桐竹勘十郎はいい男の権三をたっぷりと遣っていましたね。
咲大夫さん、お疲れなのかなぁ。超えに張りが無いかなぁ。
心中宵庚申
上田村の段
八百屋の段
道行思ひの短夜
庚申の夜に八百屋の半兵衛とその妻で身重のお千代が姑(半兵衛の義理の母)のいびりで心中してしまうという話。
本来上中下の三巻構成なのですが、上巻の上演は江戸時代以降途絶えているとか。
そこには半兵衛が父の十七回忌の墓参りのために大阪から浜松に帰郷していることや、
そこでの半兵衛の活躍、若衆の弟に念者になって欲しいと申し込む三人の武士と奴のなかから、奴を選ぶ様子などが描かれています。
八百屋の段の千歳太夫、迫力ありましたね。
玉男の半兵衛、勘十郎のお千代、もう言うことなく素晴らしい。
紅葉狩
玉三郎、菊五郎、海老蔵、染五郎らが演じた更科姫実ハ鬼女を歌舞伎で観たことがあり、
その中で一番印象に残っているのが玉三郎と海老蔵です。
豊松清十郎の更科姫実ハ鬼女、その変化が素晴らしかったですね。
平維盛の文司、意外と立派でいかにも位の高い武士の雰囲気がありました。
近松の心中物が二作もあってちょっと重い公演でした
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