12・5・23
三春館製薬の広告に大きく花菖蒲の写真がある、
コピーを読むと、江戸時代花菖蒲は武士のたしなみであった、とある。
花菖蒲と武士のたしなみは私の頭の中でなかなか一致しない。だが、
花菖蒲についてチョト調べると面白そうだな、と思った。
たまたま栄久庵憲司の「幕の内弁当の美学」を読んでいたら、
農学者中尾佐助の文章は面白い、といっている。
図書館で中尾佐助を調べてパラパラと捲っていたら、
肥後の花連満月会は熊本市が企画する肥後八花園に花菖蒲の提供を求めたのにたいして、断っている。
市の当局は困って、細川の末裔に口利きを頼んだ、とある。
肥後もっこすが頑固を意味するぐらいのことは知っていたが、
殿様の頼み事も断ってしまうのは頑固だけでは片付けられない何かがあるらしい。
花菖蒲には何か文化にまつわる何かがありそうに思えた。
イベントも祭りも人寄せをしない何か文化があるのかも知れない。
開花期の6月を待ちかねるようにして出かけてみた。
花菖蒲田に近づいても案内看板もない、以前訪ねた管理事務所の前をとおり、
体育館の裏側に廻ると花菖蒲は見事に咲いている。
写生をしている人が5,6人子ども連れが2組、カメラを構えている人が数人いるだけ。
花菖蒲の解説版も名前を示す札もない、
花菖蒲の手入も充分、周囲の清掃も行き届いている。池には錦鯉が泳いでいる。
ただ花菖蒲が手入れ良く咲いているだけ。
案内もしない、説明もしない。
何か、文化がそうさせているのかも知れない。
祭りごとが嫌いな土地柄でもなさそう、
チョット解せないが何かありそう。