12・5・29
ネタ本 豆本
豆本の次はネタ本の話です。
養護老人施設に入居するお年寄りへ毎月7,8名の方にハガキを差し上げる
ボランティア活動が発端になって文章を書き始めました。
当時、まだ絵手紙という言葉さえ無かった時代です。
名前と年齢しか分からない人、7,8人へ7,8通りのハガキを書く。
何を書いたら良いか、およそ見当が付かない。
外出機会の少ないお年寄りに外の様子を書こう、
たったこの一言で何を書いたら良いか、という重大問題が呆気なく解決したのです。
外の様子の連想から季節の話題、更にネタ本として歳時記へ行きつきました。
本屋でたまたま手に取ったのが水原秋桜子の俳句歳時記、
本の厚さも手頃、値段も手ごろと云うだけで買った歳時記、
この歳時記を選んだことは偶然以上の何かがある、何かがあったような気がします。
元より、ハガキを7,8通り書くためのネタ本ですから気楽に読める。
季語の説明文から適当なフレーズ、文言を書き抜く。
くっ付けたりオヒレ、ハヒレを付けて一文に仕立てる。
7,8通りのハガキ文を書くのは億劫にしない、億劫じゃない。
こんな方法は邪道だろうな、思いが何時も付きまとっていた。