ユーモアに欠けとるけん

　町田街道を、でっかいイカついクルマがのろのろ走っとったけん。

渋滞の多いこの道路で、やたらと車間距離をあけるんは、ちょっとメーワクじゃな。

見てみたらクルマに似つかわしくない、少しトシのいったご婦人が運転しとる。

クルマはいわゆるＳＵＶ、いまじゃあ主流の乗用車じゃ。

どーしてこんな不安定で不経済なクルマばっかり売れとるのか不可解じゃけん。

んで、このムーブメントは収まりそうにないけん。


パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=422278

このＳＵＶの元祖は、ＶＷゴルフのクロスオーバーといわれとるけん。

大衆車に大きいタイヤを履かせて、まるでオフロードを走れるような外観にしとるけん。

どことのうデフォルメされた、マンガチックなクルマに仕上っとるけん。

こんなメーカーの遊びゴコロと、ユーモアを理解できるユーザーが生み出したクルマじゃな。

トコロがどうじゃろ、いま売られとるＳＵＶにはユーモアを感じんけん。

ボディを専用設計した、大きうてイカついだけのフツーのクルマじゃけん。

重心が高くて不安定、ボディ剛性はセダン程度でとくに頑丈でもないけん。

もちろん、オフロードを走る性能はないけん。

重くて空気抵抗も多いけん、燃費もようないじゃろ。



わしはクルマはライフスタイルを投影するモノだと思うとるけん。

流行り廃りだけに流されとるのは、中身のなさを感じるだけなんじゃなぁ……。